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レッドハット、3scaleのAPI管理ソリューションを国内販売
2017年1月30日 06:00
レッドハット株式会社は27日、API管理ソリューション「Red Hat 3scale API Management Platform」を国内で正式に販売開始した。Web APIのモニタリングやセキュリティ、トラフィック管理、課金などのためのソリューションで、2016年6月にRed Hatが3scale社を買収してラインナップに加えた。2016年秋からRed Hatブランドで販売しており、以前からの顧客を含めて700社以上の顧客がいるという。
提供形態は、利用企業のサーバー側にAPIゲートウェイを設置し、管理機能本体をクラウドサービスとして提供するハイブリッド型となる。価格は、最小構成(5API、100万コール/日)で468万円/年~(税別)。API数は、エンドポイントURL数ではなく、1まとまりのAPIセットを単位とする。初年度販売目標は20ユーザーで1億円。
3scaleでCEOを務め、現在は米Red Hat シニアディレクター&ヘッド APIインフラストラクチャのスティーブン・ウィルモット氏は、他社ソリューションと比べた3scaleのアーキテクチャの特徴として、APIゲートウェイと管理機能本体が分かれてているモジュラー型のアーキテクチャを挙げた。APIゲートウェイは、リバースプロキシとなるNginxのプラグインとして機能し、管理機能本体はクラウド上(現在のところAmazon AWS)で提供する。この形態により「もっともスケーラブルなAPI管理プラットフォームだ」とウィルモット氏は主張した。
管理機能のオンプレミス版も開発中で、2017年第2四半期にリリースする予定となっている。オープンソース化も予定している。
レッドハット株式会社 プロダクト・ソリューション本部 本部長の岡下浩明氏は、他社ソリューションとの差別化ポイントとして、Red Hatの既存ソリューションとの組み合せを挙げた。「デジタルトランスフォーメーションをテーマとして掲げているが、その中で足りなかったピースがAPIだと思っている」(岡下氏)。
コアプラットフォームとしてRed Hat Enterprise Linux(RHEL)やJBoss Middlewareが、APIとしてJBoss Fuseが、コンテナプラットフォームとしてOpenShiftがあり、「組み合わせることで、基幹システムとデジタルビジネスの架け橋となる」と岡下氏は語った。
市場としては、金融のFinTechや、IoT、モバイル、エンタープライズソーシャル、既存コアビジネスのAPI化などを想定している。「日本でも、すでにFinTechとIoTの分野でそれぞれご相談をいただいている」と岡下氏。
さらに、3scaleの持つAPIのノウハウを元に、国内でも企業向けにAPIワークショップを開催する予定だ。これについて同社 テクニカルセールス本部 エンタープライズソリューションアーキテクト部 シニアソリューションアーキテクトの杉本拓氏は、「テクニカルなものというより、APIを公開するにあたってどのような価値を提供するか、どういう粒度でAPI化するかなどを伝える」と説明した。
3scaleは今後、Red Hat製品との統合を進める。JBoss Fuseや、モバイルバックエンドのRed Hat Mobile Platformなどとの統合のほか、OpenShift上でのマイクロサービスごとのAPIとその自動ディスカバリなどにも対応していく予定が語られた。