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2016年度上期のPCサーバー出荷台数は9.5%減の約21万台、ノークリサーチ調査

 株式会社ノークリサーチは28日、2016年度上期(2016年4月~9月)の国内PCサーバーの出荷状況と、2016年度全体の予測を発表した。

 2016年度上期のPCサーバーの出荷台数は、前年同期比90.5%の21万2895台。PCサーバー市場を押し上げる目立った要因が少なかったことと、全体的に大型案件も少なかったことが、減少の背景にあると分析している。また、クラウドへの移行や仮想化、集約化の潮流が明確化し、PCサーバーの設置台数の減少が続いている中、ビッグデータ、IoT、AIなどで新たなPCサーバー需要の期待が高まっているが、まだ市場へ具体的な実績には結び付いていないとしている。

 金額ベースでは、前年同期比93.5%の1407億円となった。仮想化、集約化によりHDD、SSDやメモリーを多く搭載したサーバーが増え、平均単価が高まっている傾向が続いているため、台数ベースに比べて落ち込みは低かったとしている。

 サーバーの形状別では、タワーサーバーが7万4650台(前年同期比92.5%)、ラックサーバーが12万9745台(同94.6%)、ブレードサーバーが8500台(同48.8%)で、いずれも減少で、中でもブレードサーバーが大幅減となっている。

 メーカー別のシェアは、1位がNECで25.2%、2位が富士通で24.5%、3位が日本ヒューレット・パッカードで18.0%、4位がデルで11.1%、5位が日立製作所で6.5%、6位がレノボ(日本IBM)で4.5%。

 1位のNECは、前年同期のシェア24.4%から25.2%へ0.8ポイント上げて、トップの座を取り戻した。形状別のシェアは、タワーサーバーが36.2%、ラックサーバーが19.4%、ブレードサーバーが17.4%で、タワーサーバーが前年同期比5.8ポイント増と大きく上げた。2016年度上期は、昨年度に続き流通大手への大型案件があり、サーバー市場全体での同社のシェアアップの要因となったが、ラックサーバーやブレードサーバーは減少し、出荷台数は前年度比93.5%の減少となった。

 2位の富士通は、前年同期のシェア24.8%から24.5%へと若干のダウンとなり、トップをNECに明け渡す結果となった。形状別のシェアは、タワーサーバーが33.3%、ラックサーバーが20.4%、ブレードサーバーが9.9%。2016年度上期の出荷台数は、各チャネルでの実績が鈍く、前年度比89.5%の減少となったとしている。

 3位の日本ヒューレット・パッカードは、前年同期のシェア19.8%から18.0%へ1.8ポイントダウン。形状別のシェアは、タワーサーバーが9.6%、ラックサーバーが22.2%、ブレードサーバーが26.0%。2016年度上期の出荷台数は、通信ネットワーク系企業での実績が低迷したことが影響して、対前年比が81.9%と大きな減少となった。

 4位のデルは、前年同期のシェア10.5%から11.1%へと0.6ポイントアップ。形状別のシェアは、タワーサーバーが7.4%、ラックサーバーが13.7%、ブレードサーバーが3.5%。販売戦略として、間接販売に大きく舵取りをしたことで、ディストリビューター経由での展開が実績を上げつつあるとしている。

 5位の日立製作所は、前年同期のシェア6.3%から6.5%へ0.2ポイントアップ。同社の強みである、大企業、官公庁、金融などで案件数は比較的堅調で、2016年度上期の台数は前年同期比で93.2%となった。

 6位のレノボは、前年同期のシェア5.0%から4.5%へ0.5ポイントダウン。形状別のシェアは、タワーサーバーが2.9%、ラックサーバーが5.5%、ブレードサーバーが4.4%。ディストリビューター経由での競争が激しくなったことで苦戦しているが、ハイパーコンバージドインフラ系の実績が出始めているとしている。

 2016年度の見通しについては、出荷台数は44万5995台と、前年度に引き続き減少傾向が続くと予測。サーバーの仮想化、集約化の動きは続いており、2016年度下期は上期より減少幅は緩やかになるものの、減少すること自体は変わらないとしている。

 PCサーバーについては、オンプレミスのシステムを維持しながら、クラウドも採用するハイブリッドの活用が増えているため、一定規模のオンプレミス需要は引き続き安定的に存続していることから、サーバーの台数がクラウド化で極端に減少するということにはなっていないとしている。