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住友別子病院、新病院のネットワーク基盤にSDNを採用 音声系含む5つのネットワークを統合

 日本電気株式会社(以下、NEC)は4日、医療法人住友別子病院(愛媛県新居浜市)が、新病院においてSDNを活用したネットワーク基盤を構築したと発表した。この導入にあたってNECは、住友電設株式会社と連携し、SDN対応製品「UNIVERGE PFシリーズ」やレイヤ2/3スイッチ「UNIVERGE QXシリーズ」、コミュニケーションサーバー「UNIVERGE SV9500」などを提供している。

 住友別子病院では、2016年10月に診療を開始した新病院のネットワーク基盤でSDNを採用。従来の課題だった運用管理の効率化、可用性の向上、高い信頼性の確保などの実現を目指しているという。

 この新基盤はネットワークを仮想化し、1つの物理ネットワーク上に基幹系(電子カルテなど)、情報系(職員用グループウェアなど)、開放系(外来患者向けインターネット接続サービスなど)、セキュリティ系(監視カメラなど)、音声系(電話)の5つのネットワークを統合しているのが特徴。

 これにより、専用の電話線や構内PHS用アンテナが不要になるとともに、ネットワーク機器の削減に伴って構成がシンプル化され、運用管理の効率化を実現している。なお、各ネットワークは論理的に独立しているため相互に影響を与えず、通信品質やセキュリティも確保されているとのこと。

 さらにSDNにはループという概念がなく、ループ障害が起こらないことから、障害性も向上している。万一、ネットワークに障害が発生しても自動迂回が可能で、GUI画面によるネットワーク全体の構成と通信状態の可視化により、障害発生時でも通信を遮断することなく障害個所の迅速な特定・復旧を実現した。

 また、ネットワークの構成変更や機器増設の際、各機器に対する設定変更を一元的に実施できるので、今回新たに提供する外来患者向けインターネット接続サービスをはじめ、医療の変化に迅速かつ柔軟に対応することで、可用性の向上を実現したという。

 あわせて、職員用端末として、それまでのPHSに代わりスマートフォンを導入。将来的なサービス向上への対応や現場での各種情報の利活用を見据えている。