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IoTの台頭で「エッジコンピューティング」に脚光、クラウドと並び立つ存在に~IDC調査

IoTとエッジコンピューティングの関係性

 IDC Japan株式会社は2日、「エッジコンピューティング」に関する国内市場分析の結果を発表した。通信レスポンスの向上のための「エッジ」が、将来的には情報流通プラットフォームとして活用される可能性などに言及している。

 エッジコンピューティングとは、ネットワークの中心にサーバーがあると仮定した場合、よりユーザーに近いネットワーク末端(エッジ)で各種処理を行うことにより、トラフィックの発生を抑止したり、レスポンスを向上させようという発想。CDN(Content Delivery Network)はその一例であり、「フォグコンピューティング」もほぼ同じ概念とされる。

 一方、IoTは普及に向けて期待が高まっているものの、通信の効率性や応答性の面で課題があり、対策としてエッジコンピューティングが必要とみなされつつあるという。

 IDCは「IoT時代において、エッジコンピューティングは、クラウドコンピューティングと並んで重要になる」と予測。調査の結果では、IoT機器から生成された膨大なデータをクラウドに集約せずに、IoT機器により近いエッジでアナリティクス処理できるよう、国内ベンダーが取り組んでいることがわかった。

 このほか、システムの機能をエッジ含めて分散化させて負荷・コストの低減を図ったり、エッジ間でデータを流通させるビジネスなども模索されているという。

 エッジのロケーションは現在「オンサイト型」「広域ネットワーク内型」の2つに分類され、用途も異なる。また「パブリック」「プライベート」「業界(コミュニティ)」といった、クラウドと同様の分類もなされる。