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NTTグループ6社、AI技術「corevo」によるコミュニケーションロボットなどの合同実証実験を開始

 日本電信電話株式会社(NTT)、株式会社NTTデータ、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)、NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)、株式会社NTTドコモの6社は25日、NTTグループのAI関連技術「corevo(コレボ)」を用いた実証実験を開始すると発表した。

 NTTグループのAI関連技術「corevo」をクラウド上の共通基盤に実装・共用し、NTTグループ各社が合同で実証実験を行う。この実証実験により、コミュニケーションロボットを中心としたデバイス連携サービスを普及させ、「社会的課題の克服」や「産業競争力の強化」に取り組み、「安心・安全で豊かな社会の実現」を加速していくとしている。

 NTTでは、これまで音声・言語処理技術を中心に、画像処理技術や人の状態や感情を理解する技術など、コミュニケーションに関わる各種メディア処理技術に関して研究開発を行ってきた。2015年度には、NTTグループ各社が「corevo」を用いてロボット関連の実証実験を行い、これらのメディア処理技術のうちFAQ検索や雑談対話、音声認識技術などを各社個別に用意してトライアルを実施してきた。

 今回の取り組みは、これらの関連技術をクラウド上に共通基盤として構築し、NTTグループ各社がパートナー企業とともに、コミュニケーションロボットを中心としたデバイス連携サービスとして利用する実証実験を実施する。NTTが「corevo」関連技術の提供と技術課題の抽出、NTTデータがNTTグループ各社の実証実験向け共通基盤の提供を行う。

各社の取組内容

 実証実験では、NTT東日本が、新宿区内の店舗や主要スポットに設置されたコミュニケーションロボットをデジタルサイネージなどと連携させ、イベントや地域の案内に用いることで、地域振興への寄与をめざすデバイス連携サービスの実証実験を行う。NTT西日本では、多言語での対応が可能な観光案内用デバイス(ロボットやデジタルサイネージなど)と連携させた観光案内支援ソリューションの検証を実施する。

 NTT Comでは、介護施設において、機能訓練の一環として行われている音楽や体操などのレクリエーション活動を、スタッフと一緒にまたは代わってコミュニケーションロボットが進行するためのプログラムを開発および実証実験を行う。また、コミュニケーションロボットによる、デパート内におけるフロア・イベント案内支援の実証実験を行うことで、その活用範囲の拡大に取り組む。

 NTTドコモでは、自治体における高齢者福祉(健康増進)サービスの充実を目的として、「corevo」を活用した自然対話エンジンおよびロボット連携制御技術「R-env:連舞」で動作するコミュニケーションロボットを用いて、行政による健康指導をサポートするデバイス連携サービスの実証実験を実施する。

 NTTでは、今回の合同実証実験を皮切りに、NTTグループ会社がクラウド上の共通基盤に構築された「corevo」関連技術を活用し、コミュニケーションロボットを中心としたデバイス連携サービスの普及と改善に取り組むことで、2016年度下期以降、新たなロボット関連ビジネスの創出を目指すとしている。