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【クラウドEXPO】パートナーソリューションが集結したAWSブースなどをレポート
Nicira、Riak、XenXenMobile、NECの垂直統合型製品などを各社が展示
(2013/5/10 06:00)
「クラウドコンピューティングEXPO」など11のIT専門展からなる「Japan IT Week 春 2013」が、5月8日から10日まで、東京ビッグサイトで開催されている。
ここでは、「クラウドコンピューティングEXPO」を中心に5日9日の展示会の模様をレポートする。
AWS、EC2上のSAPアプリケーションなどを展示~パートナーソリューションも
Amazon Web Services(AWS)の日本法人、アマゾンデータサービスジャパンのブースでは、AWSおよびパートナーのソリューションが展示されている。
中でも今回特に目立ったのが、SAP社のERPなどのアプリケーションをAWS上で動かす「SAP on AWS」ソリューションだ。AWSおよびSAPジャパンがそれぞれコーナーを設けて展示している。主にERP製品などはAmazon EC2上で構築するBYOL(ライセンス持ち込み)、主にHANAなどはAWS Marketplaceから時間課金で利用するといった、2つの調達方法が想定されている。
また、リアルテックジャパンがSAPアプリケーションのAW移行の支援サービスなどを展示。アイレットのAWS導入運用サポート「cloudpack」でも、「ダイレクトインポートサービス」をクラウドコンピューティングEXPO会期に合わせてリリースしている。ダイレクトインポートサービスは、大容量データをHDDなどで預かり、同社が持っているAWSのDirect Connect(専用線接続)回線を利用して、1回単位の料金でAWSに転送するサービス。リアルテックジャパンの移行サービスで使われているものを一般サービス化したものだという。
NetAppは、「NetApp Private Storage for AWS」について展示している。NetApp Private Storage for AWSは、Direct Connect(専用線接続)のAWS側のコロケーション施設に、企業側と接続する通信機器のかわりにNetAppのストレージ製品を収容し、Amazon EC2から使えるようにするもの。日本国内でも、クラウドコンピューティングEXPO会期と同じ週に設備を設置し、実証実験を開始するという。
そのほか、モバイルアプリ用サーバーのクラウドサービス(MBaaS)を提供するKii、クラウドインテグレーターのサーバーワークス、AWSの設計・構築・運用保守のナレッジコミュニケーション、データ連携システム「iDIVO」のセゾン情報システムズ、Hadoopアプリケーションフレームワーク「AZAREA-Cluster」のCAC、ソフトウェアをAWSに対応させているNECが、AWSブース内で展示している。
Nicira、Riak、Pure Storageなどの先進ソリューション
そのほか、「クラウドコンピューティングEXPO」では各社のクラウドに関連した製品やサービスなどが展示されている。
東京エレクトロンデバイスでは、主に同社が取り扱う中でも先進的な製品を展示。SDN(Software Defined Networking)のNicira、分散データストレージ「Riak」「Riak CS」のBasho、SSDによるSANストレージのPure Storage、サーバー内蔵型高速フラッシュストレージのFusion-ioなどの製品が並んでいる。また、契約交渉中として、USBメモリからOpenStackのサーバーやネットワークをセットアップできるPiston Cloud Computingの企業向けOpenStackディストリビューション製品も、参考出展として紹介していた
注目集まるXenMobileなどを展示する日商エレ
日商エレクトロニクスのブースでは、CitrixのMDM(モバイル端末管理)製品「XenMobile」を展示している。通常のMDMの機能のほか、Citrix Receiverにアプリケーションを配信してコンテナ内でのみ実行させる機能を持つ。国内初展示だという。そのほか、同社の検証したクラウド関連製品を組み合わせて提供する「Nissho-Block」についても展示している。
また、グループ会社であるNCIは、クラウドサービス「Zeta Cloud」と、4月に発表した広域L2ネットワークサービス「Zeta Ether」を展示している。石狩・横浜・大阪のデータセンターを10Gbps回線でつなぎ、これに各所のアクセスポイントへのL2網を組み合わせ、データセンターや拠点などの間の回線を低価格で提供する。6月よりサービス開始予定。
CTCのブースでは、4月にオープンした新しいデータセンター「横浜コンピュータセンター北館」や、2012年12月にスタートした4グレードからなる月額課金の「ElasticCUVIC」、基幹向けIaaS「TechnoCUVIC」、セルフサービス型IaaS「CUVIC OnDemand」、クラウド導入適性診断について展示している。
NECの垂直統合型製品「NEC Solution Platforms」
NECのブースでは、4月に発表した垂直統合型製品「NEC Solution Platforms」を展示している。サーバーやストレージ、ネットワークなどの製品をひとまとめにしてアプライアンスとして提供する製品。ホテル業務向けやシンクライアント基盤向け、コラボレーション基盤向け、データベース向けなど、業種や業務ごとに最適化してラインアップしており、PBX/キーテレフォンなども含む。そのほか、データセンターやクラウド、セキュリティなどのさまざまなソリューションを展示している。
セールスフォース・ドットコムのブースでは、ソーシャルメディアモニタリング・分析プラットフォーム「Salesforce Radian6」を使い、実際にソーシャルメディアをモニタリングする「ソーシャルメディアコマンドセンター」をデモしている。そのほか、セールスやマーケティングなど分野ごとの同社アプリケーションや、パートナーのソリューションなどを展示している。
データセンター構築運用展やデータストレージEXPOなども併催
クラウドコンピューティングEXPOと同じ会場では、データセンター構築運用展やデータストレージEXPO、ソフトウェア開発環境展、データウェアハウス&CRM EXPOも開催されている。
データストレージEXPOの丸紅情報システムズのブースでは、EMCとNetAppの製品を展示。さらに、TintriのVM用SSD&HDDハイブリッドストレージ製品や、Fusion-ioのVM用フラッシュメモリキャッシュ製品も展示している。
DataDirect Networks(DDN)のブースでは、最大構成で1680本のHDD・SSDを搭載可能なストレージアレイ「SFA12K」と、4UサイズにHDD・SSDを60本搭載可能な「SFA7700」を参考展示。また、オブジェクトストレージの「Web Object Scaler(WOS)」や、Hadoopアプライアンスの「hScaler」も展示している。