シャープ、GALAPAGOSとは異なる新たなタブレット端末を参考展示

流通市場などを対象に2011年夏の出荷を目指す


リテールテックJAPAN 2011のシャープブースに参考展示されたタブレット端末

 シャープ株式会社は、3月8日から、東京・有明の東京ビックサイトで開催されている「リテールテックJAPAN 2011」において、新たなタブレット端末を参考展示した。

 7型液晶ディスプレイを搭載した同端末は、B2B向けの製品と位置づけられており、電子書籍を中心とした展開を行っているGALAPAGOSとは一線を画した製品になるとしている。

 製品開発を行っているのは、POSシステムハンディターミナル、複写機事業などを行っているビジネスソリューション事業推進本部で、GALAPAGOSを担当しているネットワークサービス事業推進本部とは異なる。そのため、ブランド名についても、今後、GALAPAGOSの名称を用いるかどうかは未定だという。

 具体的な仕様は明らかにされていないが、同社によると、TI社製のCPUを搭載し、OSにはAndroid2.3を搭載。7型の液晶ディスプレイを搭載している。重量は420g、厚さは10.9mm。

 無線LANへの対応のほか、SDカードスロットやUSBポートの内蔵も可能で、バッテリー駆動時間は10時間を目指す。

 今後は、10型ディスプレイを搭載した端末も投入することを検討しているという。
同社では、参考展示したタブレット端末をB2B型の製品と位置づけており、いくつかのビジネスソリューションと連動した提案を進めていく考えだ。

 同社によると、「居酒屋をはじめとする飲食店などでのセルフオーダーシステムの端末としての利用を想定しているほか、ショップにおいて店員が在庫を確認したり、色違いの商品をディスプレイ上で顧客に紹介するための接客端末としての利用、修理や保守作業の際に対象製品の構造を確認したりといった利用などを想定している。また、社員やスタッフのeラーニング用の端末としても活用できるだろう」という。

 そのほかにも参考展示においては、ショッピングモールのフロアを紹介する端末としての提案のほか、医療機関における健康チェック用の端末として、スケジュール管理や売り上げデータの管理、顧客に対する引っ越し見積もりシミュレーションなどの利用提案も行っていた。

飲食店などでのセルフオーダーシステムの事例ショッピングモールのフロア紹介
引っ越し見積もりシミュレーション店舗やオフィスなどにおける売り上げデータの管理

 なお、同社では、先ごろ、イオン、西日本電信電話(NTT西日本)、ハーストーリィプラスと共同で、GALAPAGOSを活用した暮らしサポートサービスの提供において協業を発表し、今年秋からの本格サービスを開始する予定だが、同協業における端末のひとつとして、GALAPAGOSとともに、今回参考展示した端末の導入が検討される可能性もある。

 一方、リテールテックJAPAN 2011では、NECブースにおいて、Android端末のLifeTouchにおいて、流通業における提案事例を紹介。端末管理基盤サーバーと連動させることで、不正使用防止、データ保護機能、端末情報管理といったセキュリティ面での強化を図ることが可能になるとし、「これまでのB2B2Cの提案だけにとどまらず、B2Bの提案にもLifeTouchを活用していくほか、来年度にはセキュリティ機能を強化したAndroid端末の投入も考えたい」などとした。

 そのほか、日立製作所がGalaxy Tabを利用した流通業向け在庫管理ソリューションや、富士通がタブレット型のモバイルハンディ「Patio700」を活用した利用提案を行い、同端末を利用できる拡張ステーションなどを展示していた。

参考展示された富士通の「Patio700」拡張ステーションB2Bによる流通向けソリューション提案を行っていたNECのLifeTouch
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