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日立のプライベートイベント「Hitachi SOCIAL INNOVATION FORUM」展示会場レポート

ビッグデータ、IoTから人流分析まで最新製品・ソリューションを紹介

 株式会社日立製作所(以下、日立)は、10月29日・30日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで、日立グループの年次イベント「Hitachi SOCIAL INNOVATION FORUM 2015-TOKYO-」を開催するのに先駆け、報道関係者に展示内容を公開した。

 同社では、北米、欧州、アジアなど、世界各地でイベントを開催しているが、Hitachi SOCIAL INNOVATION FORUMは、日立グループ世界最大規模のフラグシップイベントとして位置づけており、講演、セミナー、展示を通じて、日立がインフラ技術と最先端のITを有機的に融合させ、より高度な社会インフラを築く「社会イノベーション事業」によって、世界が抱えるさまざまな課題を解決し、明るく豊かな未来を創っていきたいという想いを、顧客やパートナーに紹介するという。

 基調講演では、日立製作所の中西宏明執行役会長兼CEOが、「協創による価値創造 社会イノベーション」をテーマに、また、特別講演では、ベストセラー書籍「ロングテール」や「フリー」の著者であるクリス・アンダーソン氏が「21世紀の産業革命の行方」と題した講演を行う。

 また、ビジネスセッションでは、慶應義塾大学環境情報学部長の村井純教授や、日立製作所 情報・通信システムグループ長の齊藤裕執行役副社長など、有識者や日立の経営幹部から、「IoT」「社会インフラ」「サービスイノベーション」「ヘルスケア」「新エネルギー」「鉄道」「ビジネスインキュベーション」といった関心の高い7つの取り組みを紹介するとした。

 展示会場は、「SOCIAL INNOVATIONテーマステージ」として、社会イノベーションを加速させるヒントを展示。水やモビリティなどによる「INFRASTRUCTURE」、電力自由化、安定供給などの「ENERGY」、ビル街区の「URBAN」、ケアサイクルにフォーカスした「HEALTHCARE」、製造分野の「INDUSTRY」、ワークスタイル、事業創出/基盤強化の「BUSINESS & SERVICE」の6つの事業と、共通基盤となるフィジカル、サイバーを対象にした「SECURITY」のカテゴリに分けて、体験型および立体型を含む、90以上の展示を通じて幅広く紹介する。

 また会場内では、共生自律分散やIoTをはじめとするクラウド、ビッグデータ、人工知能などのプラットフォーム技術を活用したソリューションや実践事例を紹介する40以上のセミナーを用意している。

 開催時間は両日とも午前10時から午後6時まで。入場料は無料だが、事前登録制となっている。

 同社では、前年実績を10%上回る、4万5000人の来場を見込んでいる。

東京国際フォーラム開催されている日立グループの年次イベント「Hitachi SOCIAL INNOVATION FORUM 2015-TOKYO-」

ビッグデータ、IoT分野では多数のソリューションを紹介

 さて本稿では、写真で展示の様子を紹介しよう。

メインステージでは社会イノベーションへの取り組みを説明
社会イノベーションにおける取り組みについても紹介
日立が注力しているPantahoソフトウェア。会場ではビッグデータソリューションとして注目を集めていた
M2Mを活用することで、社内トイレの空き個室をオフィスの自席から確認できるソリューションを参考展示。IoTの活用例だ
電波強度を可視化するツール。これもIoT活用例のひとつ
EMiliaによるエネルギー使用の合理化提案のデモンストレーション
各種センサーから発信された情報をPentahoで管理するデモも行っていた
IoT/M2Mを活用することで故障予兆診断をサービスとして提供できる
産業機器の見える化をするためのIoT/M2M端末を数多く展示
参考展示されたIoT/M2M高機能通信端末「UbiCube-GW」
店舗や飲食店での冷蔵商品の温度監視サービス。温度異常時に通報する
超小型脳活動計測装置。ヘッドホンとスマホを用いて、脳の血流量変化をリアルタイムで計測する
こちらは工場施設内の車両入退場管理のデモ。ナンバープレートを読み取り管理する
指静脈認証による入退出管理。映像監視システムと連携して入場者追跡も行う
床に設置した装置で人が持つタグを読み取り、ハンズフリーでの入退出を管理する
不正PC監視および強制排除装置「NX NetMonitor」など、不正アクセス防止ソリューションを展示
在宅勤務をはじめとするワークスタイル変革のソリューションも展示

人流分析ソリューションなど交通機関向けのソリューションも

人流分析ソリューションは日立の得意技のひとつ。駅構内の人の流れの様子を分析し、混雑緩和対策などを行うことができる
在来線混雑可視化システム。JR東日本と共同研究中。これも人流分析ソリューションのひとつだ
JAL向けに提供している保安検査待ち時間案内アプリ。人流検知とクラウドサービスを組み合わせたものだ
会場内でもカメラを設置して、人流分析のデモンストレーションをリアルタイムで行っていた
成田国際空港で利用されている交通アクセス情報総合ナビゲーションも日立の技術によるもの
JR山手線「E235系」で導入されている車上情報表示システムも日立が提供している
日立が製造しているロンドンと英国の主要都市を結ぶClass800車両の模型

ヘルスケアソリューションも多く展示

クラウド型健康支援サービス「はらすまダイエット」。無理せず内臓脂肪を撃退できる
日々の活動量をグラフで表示し、職場などで利用できる「健康増進サービス」
心電や脈波のデータから疲労やストレスを数値化し、見えない疲労を客観的に把握できるサービスも
POCT機器を用いたヘルスケアデータ活用ソリューション。電子カルテシステムや健康支援サービスと連携する。POCT機器の参考展示した

次世代エレベータやエネルギー管理システムなど

ビル街区という切り口からの提案も行う。ここではエネルギーマネジメントが中心だ
蓄電システム「CyrstEma」。制御装置や空調設備を組み込んだコンテナ型システム
小型低床式無人搬送車「Racrew」。棚の下に入り込み棚ごと移動することができる
ダウンウィンド風力発電システムの模型
開放的な環境で検査が可能なオープンMRIシステムも展示
ヒューマンフレンドリーというコンセプトを持った次世代エレベータ。全体が丸みを帯びていた人にやさしいデザインを採用しているという

大河原 克行