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さまざまな分野でSDNを活用、最大64万のVLANに対応する大規模向けスイッチも NECブース
Interop Tokyo 2015レポート
(2015/6/16 06:00)
最大64万のVLANに対応する大規模データセンター向けスイッチ
SDN対応機器として、6月1日に発表された、大規模データセンター向けスイッチ「PF5340」シリーズが展示された。10GbE×48ポートのToR(トップオブラック)スイッチの「PF5340-32QP」と、40GbE×32ポートのアグリゲーションスイッチの「PF5340-48XP-6Q」の2機種。いずれもOpenFlow 1.3.4に対応し、フローテーブルは最大29万4912エントリー。
コントローラの「UNIVERGE PF6800」およびコントローラを統合する「Network Coordinator」と組み合わせることで、VLANのID数制限を大きく上回る最大64万のVLANを利用できるのが特徴。これには、Q-in-QトンネリングやOpenFlowを組み合わせた転送方式が用いられる。
なお、PF5340-32QPとPF5340-48XP-6Qは、Best of Show AwardのSDI部門でグランプリを受賞した。
テレコムキャリア向けのSDNソリューション
テレコムキャリア向けのSDNソリューションとしては、トランスポートSDNソリューションと、ネットワーク機能仮想化が展示された。
トランスポートSDNソリューションは、キャリアの機器をそれぞれ管理するEMS(Element Management System)のドライバーを用意し、コントローラから統一的に管理できるようにすることで、全体の静的な設計から各機器の設定に落としこむものだ。
また、ネットワーク機能仮想化は、CPE(カスタマー構内設備、顧客側に設置する機器)やMVNOゲートウェイ、EPC(Evolved Packet Core、モバイルのコアネットワーク)を仮想アプライアンス化するもの。CPEであれば、事業者側に集中配備して顧客との間をL2で接続することで、保守コストなどを下げるとともに、ファイルサーバーなどの付加価値サービスなどを提供しやすくなるという。
マルチサイトのOpenStackとWebSAM Network Automationを連動
マルチサイト対応SDNソリューションとして、OpenStack APIからNECの運用自動化ソフトウェアWebSAM Network Automationに命令を出して、VMとネットワークを自動設定する機能が展示された。デモでは、OpenStackでVMを作り、そこにフローティングIPを自動的に付与し、さらにFortiGateのNAT設定をするところまでを示していた。ここまでは以前からできていたというが、今回はマルチサイトのOpenStackに対応したことを参考出展したという。
SDNを用いたセキュリティでパロアルトやトレンドマイクロと協業
SDNを用いたセキュリティとしては、サーバー攻撃自動防御ソリューションが展示された。さまざまなセキュリティ製品が使われていても、インシデントが発生して警告やログなどが出されても、人手では時間がかかったり対応しきれなかったりする。そこでNECのソリューションでは、そうした警告やログを「SDN連携アダプタ」に集め、問題のある通信をSDNによって経路を曲げて検疫サーバーに送るといった対応をとる。
同ソリューションは3月に、パロアルトネットワークスの次世代ファイアウォールによる検知と、トレンドマイクロのセキュリティ脅威検知システムによる検知への対応を合わせて発表された。すでに導入を検討している企業もあるという。
拠点間ルータでSDNに対応
WANの拠点間接続用ルータUNIVERGE IXシリーズのSDN対応も展示されていた。センター用のUNIVERGE IX3110と、拠点用のUNIVERGE IX2215/IX2207からなる。OpenFlow 1.3に対応し、ルータとして使いつつ、必要に応じてWANでSDNを構成して運用の効率化をはかれるという。
VMware vCenterでNECのSDNを一元管理
クラウドサービス基盤のSDNとしては、VMware vCenterとSDNを一元管理する「VMware連携プラットフォーム可視化(仮)ソリューション」が展示された。NECのSDNコントローラによるネットワークの情報を、アダプタ「UNIVERGE PF6800 Network Analyzer for VMware vCenter Operations(PFNA)」を介して「VMware vRealize Operations Manager(vROPS)」に提供する。これによって、仮想マシンや仮想ネットワークなどのリソースを視覚的に表示し、ドリルダウンによるトラブルシューティングやプロアクティブな対応ができるという。