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「ブロケードは機器だけじゃない」、仮想ルータやSDNコントローラ、パートナーソリューションも
Interop Tokyo 2015レポート
(2015/6/16 11:30)
「Interop Tokyo 2015」のブロケードコミュニケーションズシステムズ(ブロケード)のブースは、機器だけでなくソフトウェアベースの製品も数多く展示された。それにともなってか、他スイッチベンダーなどと協力した展示やデモも見られた。
トラフィック情報を収集してフローを管理する「Flow Optimizer」
OpenDaylightベースのSDNコントローラ「Vyatta Controller」に対応したソリューションが2種類展示された。
まず、ポリシーベースでネットワークトラフィックを管理する「Brocade Flow Optimizer」と、それに対応してSDN機能を強化したルータMLXシリーズ用OSの最新版「Brocade NetIron OS 5.9」が6月10日に発表され、展示された。
Brocade Flow Optimizerは、対応するスイッチやルータのsFlowエージェントからトラフィック情報を収集し、それをもとにモニタリングや、Vyatta Controllerによるフローの管理をする製品だ。ブースでは、DDoS攻撃を受けた時にルールが追加されてフローが止まるところをデモしていた。これによって、専用アプライアンスと同様のことをルータで実現できるという。
NTTデータのSDNコントローラ開発ソリューション、日立金属とも協力
もう一つが、NTTデータの「SDNコントローラ開発ソリューション」だ。Vyatta Controllerをもとに、アプリケーションにフィットした形でSDNコントローラとをつなぎ込んだシステムを開発するというもの。
ブースでは、通信キャリア向けに、カレンダーで予約した時間に合わせて回線の帯域を増減できるようにして、ピーク時に合わせた回線契約をしなくてもすむシステムをデモしていた。なお、このシステムには日立金属の通信キャリア向けAPRESIAスイッチが使われており、同じデモが日立金属のブースでも行われていた。
仮想ルータ「Vyatta vRouter」と仮想ADC「SteelApp Traffic Manager」
ブースでは、仮想ルータの「Vyatta vRouter」と、仮想ADCの「SteelApp Traffic Manager」も展示された。
Vyatta vRouterは、もともとVyatta社を買収して得た技術。Brocadeが買収してから、Intel DPDKなどを用いて高速化。例えばESX上のVyatta vRouterでSR-IOVを使って高速化し、10G×4ポート相当の双方向ワイヤレートを実現しているという。
SteelApp Traffic Managerは、Riverbed Technology社から買収した技術。ライセンスが柔軟なのが特徴だという。ライセンス体系はスループットベースで、動作中の仮想ADCを設定画面で最大帯域の数字を変更するだけで、それに応じた最大帯域と使用料金が適用される。また、実際のライセンスはスループット設定の合計に適用されるため、その範囲で何台にも、リモートでも増やせるという。
VDXシリーズの高ポート密度スイッチ
イーサネットファブリック対応スイッチのVDXシリーズの新製品「VDX 6940」も展示された。「Brocade VDX 6940-36Q」は、1Uサイズで40GbEを36ポート備えるのが特徴。2月に発表された。
「Brocade VDX 6940-144S」も同時に発表された製品で、今回は参考出展。2Uサイズで、40GbE×12ポートまたは10GbE×96ポートを装備。追って、100GbE×4ポートも予定しているという。
Lenovoブースとクラウド相互接続、Red HatのOpenStackが動作
BrocadeブースとLenovoブース(SDI ShowCase内)を結んで、それぞれRed HatのOpenStackディストリビューション「RHEL OpenStack Platform」を動かして相互接続する実験も行われていた。両ブースにVyatta vRouterを置いてVPN接続。その上でOpenDaylightベースのVyatta ControllerによるSDNネットワークを組み、相互のVMマイグレーションにも対応する。
さらに、両側のOpenStackでIxiaの仮想テストツール「vLoad」を動かしてサーバーをツテストしたり、仮想キャプチャリングツール「vTap」を動かしてGRE経由で遠隔モニタリングしたりもなされた。