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米HP、中国開催のイベントでOpenStackベースのクラウドOSを発表~CEOのWhitman氏も登場
(2013/6/26 10:00)
米Hewlett-Packard(以下、HP)が中国北京にて開催中のイベント「HP WorldTour」の2日目となる25日は、中国国内の顧客を交えた大規模な基調講演の場が設けられた。基調講演に登場したのは、同社 最高経営責任者(CEO)のMeg Whitman氏だ。
Whitman氏は、「イノベーション(革新)やインベンション(発明)はHPの遺伝子であり、現在も研究開発に多大な投資を行っている」と話す。「この業界では、クラウド、セキュリティ、ビッグデータ、モビリティなど、さまざまな変化が起こっており、こうした技術の消費の仕方や支払い方法も変わってきている。この変化をサポートし、ビジネスのペースに合わせて課題を解決するのもITだ」とWhitman氏は述べ、「HPはテクノロジーパートナーとして顧客の状況を理解し、顧客の成功に貢献したい。そして顧客のベストパートナーになりたい」とした。
クラウド向けのOSが登場
イベント初日にはさまざまなストレージ製品の発表があったが、2日目はクラウドに関するOSや新サービスが次々と登場した。
クラウド関連の発表で登壇したのは、HP 最高執行責任者(COO)のBill Veghte氏だ。Veghte氏は、HPがクラウドで差別化できる要素として、「HPのクラウドはオープンで透明性がある。また、すべてのデリバリモデルに一貫性があるほか、エンタープライズレベルのソリューションでSLAが担保できる」としている。
Veghte氏が最初に紹介した新製品は、HPが提供するクラウドサービスすべてのOSとなる「HP Cloud OS」だ。HP Cloud OSはOpenStackがベースとなっており、既存のクラウド製品にも組み込まれている。オーケストレーションやバースティングも可能で、ハイブリッドクラウドにおけるワークロードの移植が最適化されるほか、インストールやアップグレードも簡素化されるという。
また、HPが4月に発表した省電力サーバー「HP Moonshot」とHP Cloud OSを組み合わせたソリューションも登場予定だとのこと。さらに、OpenStackベースのアーキテクチャを評価するための「HP Cloud OS Sandbox」も無料で提供するとしている。
クラウドサービスも強化
今回の発表では、HPのクラウドサービスにもさまざまなポートフォリオが加わった。まずは、これまでHPがマネージドクラウド向けに展開していた「HP Enterprise Cloud Services」をプライベートクラウドでも提供する。
同サービスについて、HP アジアパシフィック&日本 ITアウトソーシングおよびエンタープライズサービス担当 バイスプレジデント 兼 ジェネラルマネージャーのJohn Johasky氏は、「顧客はプライベートクラウドを次世代のインフラとして活用したいと考えており、自社内でIT部門がサービスプロバイダーとしての役目を果たすことが求められている。このサービスは、迅速にプライベートクラウドを展開するにあたって基礎となるインフラを設計、構築し、管理するものだ」と説明した。
また、アプリケーションをクラウド上で柔軟に統合し展開するためのサービス「HP Enterprise Cloud Services for Enterprise Applications」と、さまざまなデバイスからアプリケーションとデータの共有を行うためのコンサルティングや管理サービスなどを組み合わせた「HP Mobile Enterprise Cloud Solution」も同時に発表した。
Veghte氏は、今後のクラウド市場はハイブリッドに向かうとして、「その中では、さまざまな選択肢を用意し、自信を持って安全な環境と管理性を提供し、一貫性を担保できることが重要だ。HPでは、クラウドのイノベーションやサービスにおいて、顧客に選択肢と自信、一貫性を提供していきたい」と述べた。