【BUILDレポート】Windows 8の開発者向けプレビュー版 ファーストインプレッション


BUILDカンファレンスで参加者に配布されたサムソンのタブレットPC

 MicrosoftのBUILDカンファレンスの参加者に配布されたWindows 8 デベロッパープレビュー版(以下、プレビュー版)を試す機会を得たので、画面写真とともに機能を紹介していく。

 プレビュー版は、14日12時(日本時間)以降、http://dev.windows.comから誰でもダウンロードできるようになっている。ただし、開発者を対象としたプレビュー版のため、大まかな機能は実装されているが、細かな部分では未実装だったり、バグがあったりするため、一般ユーザーが気軽にインストールするのは避けるべきだろう。

 もし、テストするなら、テスト用にPCを1台用意したほうがいい。すべてのPCで動作するとは限らないので、サイトの動作環境に関する情報をよく読んでおくべきだ。

 ちなみに、今回テストしたプレビュー版は、BUILDカンファレンスの参加者に配布されたサムスン製のタブレットPCにインストールされたものだ。

 このサムスン製のタブレットPCは、CPUに第2世代のCore i5、4GBメモリ、64GB SSD、1366×768ドットのSuper PLS液晶、AT&Tの3G通信、Wi-Fiなどが搭載されている。重さは、909グラム。厚みは12.9mmと非常に薄くて、軽いタブレットPCだ。液晶画面には、マルチタッチのセンサー、GPS、傾きセンサーなども搭載されている。ある意味、MicrosoftがWindows 8を動かすために作ったタブレットPCといえるだろう。

 基調講演などでは、今回配布されたプレビュー版からバージョンがアップされたWindows 8が使用されていた。一部の機能は、プレビュー版に搭載されていないため、基調講演の写真も使いながら、Windows 8の機能を紹介していく。


持った感じも非常に軽く、薄い。液晶はSuper PLSのため発色がよく、見やすい。ただし、光沢があるので、カメラで写すと光が反射してしまう横から見ると本体の薄さがよく分かるだろう。厚みは、12.9mmと信じられない薄さだ。本体を立てておくドックとキーボード、ペンがついている。ドックには、USBポート、HDIMI端子、Ethernetポート、電源端子などがついている
Windows 8のアーキテクチャ図。Metroスタイルを実現するために新しくWin Runtime(WinRT)が追加されている。WinRTの実体は、Silverlightをベースとして開発されているようだ現在、Windows 8は、デベロッパー・プレビュー版がリリースされた。今後のスケジュールとしては、ベータ版、RC版、RTM版、製品版(パッケージ版)と4つのリリースが行われる予定だ。なお製品版のリリース時期に関しては明確にしていないが、2012年後半になるのではないか。ベータ版は、2012年1月の家電ショウのCESごろにリリースされる可能性が高い

 

タブレットを起動し初期作業を行う


最初に起動するとPCの名前を入力することになる付属品としてキーボードはついているがBluetooth接続のため、Windows 8が起動しなければ接続できない。このため、ソフトウェアキーで入力する
ワイヤレスLANを認識したときには、自動的に接続するかどうかを設定Windows 8では、ユーザー名を入力するだけでなく、Windows Liveのアカウントがユーザー名として利用できる。LAN接続ができていれば、Windows Liveアカウントの情報をクラウドから入手して、さまざまな設定を行ってくれる。ちなみに、複数のWindows 8パソコンを使う場合、Windows Liveアカウントを使用していれば、各種の設定やブックマークなど情報が自動的に同期する
Windows 8では、さまざまなモジュールを見直すことで、メモリの使用率、CPUの負荷をWindows7 SP1から小さくしている。特にメモリの使用率は、Windows7 SP1から半分になっているWindows 8では、今までのキー入力によるパスワードだけでなく、画像の特定の部分を特定の順序でタッチするタッチ形式のパスワードが用意されている。キーボードがないタブレットPCには、ぴったりなシステムだ

 

新しいMetroスタイルの操作感は?


Windows 8のMetroスタイル。PCを起動するとこの画面が表示される。Windows 8のスタート画面は、Metroスタイルに変わっているMetroスタイルは、ズームアウトして縮小表示することもできる。これなら、横長になっていても、どれだけタイルがあるのか分かりやすい
Metroスタイルの天気予報アプリケーション。各地の天気や気温情報をクラウドから取得して、表示してくれる。バックの写真も、天気や時間に合わせた写真をクラウドからダウンロードして表示しているMetroスタイルでは、1つの画面に2つのアプリケーションを同時に表示できる。サイドに表示されるMetroスタイルアプリケーションは、自動的に縦レイアウト表示にかわる
Metroスタイルアプリケーションの境界を移動すれば、各アプリケーションの表示画面を変えることもできる。ちなみにWindows 8で複数のアプリケーションを切り替えるには、左きわをタッチしてスライドすれば、別のアプリケーションが左からスライドして現れるMetroスタイルアプリケーションと今までのWindowsアプリケーションを表示してみた。Windowsアプリケーションは、サムネイルのように表示されている。ジェスチャーで簡単に行える

 

Metroスタイルのコントロールパネルやリボンを採用したエクスプローラ


複数起動したMetroスタイルアプリケーションは、表示されいない場合は、自動的にサスペンドして、電量消費を抑える。ちなみに、これが新しいタスクマネージャMetroスタイルのコントロールパネル。今までのコントロールパネルがMetroスタイルになっている。Personalizeでは、タブレットやノートPCに付属しているWebカメラで自分の顔写真を撮ることもできる。ちなみに、プレビュー版では、すべてのコントロールパネルの機能がMetroスタイル化されていないようで、More SettingsをタッチするとWindows7のデスクトップ表示に切り替わり、コントロールパネルが表示された
プレビュー版では、Windows 8のバージョン番号は6.2になっている。Windows7が6.1だったことを考えれば、アプリケーションの互換性を考えて、メジャー番号は変更していないのだろうWindows 8では、デスクトップ側も改良されている。エクスプローラは、リボンUIを採用した
Windows 8では、右きわをタッチしてスライドさせると、操作関連のメニューが表示される。検索、共有、スタート、デバイス、設定などがある。同時に、日時などの情報も表示される設定では、音量、液晶の明るさなどがスライドバーで操作できる
Windows 8のデスクトップでも、同じように右きわをタッチしてスライドすれば、操作関連メニューが表示される。ちなみに、Windows 8のタスクバーのウィンドウズロゴをクリックすると、Metroスタイルのスタート画面に戻る。今までのように、アプリケーションが一覧で表示されない検索でAppsを選択すれば、インストールされているアプリケーションの一覧がアルファベット順で表示される。ここで、アプリケーションを選択して、ピン止めすれ、Metroスタイルのスタート画面にそのアプリケーションのタイルが追加される

 

アプリケーションのオンラインショップも


MetroスタイルのIE10。HPが上部にサムネイルとして表示されている。アドレスバーは、画面下部に置かれているMetroスタイルのHeadlinesは、RSSやフィード情報を表示している
取得したRSSやフィード情報は、再レイアウトされて新聞のように表示される。非常に分かりやすくなっているWindows 8では、Windows Phone 7と同じようにMicrosoftがオンラインショップStoreを開設する。ユーザーは、ここからオンラインでアプリケーションが購入できる。Store経由で購入したアプリケーションは、購入履歴があるので、システムを再インストールしても、Windows Live アカウントをひもづいていれば、自動的にアプリケーションも再インストールできる

 

People HUBも搭載予定、新機能もさまざま


Windows 8では、セキュリティ面でも強化されている。起動時に、USBメモリから起動するなど、認められていない起動方法をとると、システムがストップするようになっているWindows 8のMetroスタイルは、画面解像度を認識して、大きさに合わせて表示レイアウトを変化させる。画面が大きければ、Metroスタイルに表示されるタイルの段数も多くなる
Windows 8では、システムのクリアインストールを簡単に行うリフレッシュPCという機能が用意されている。リフレッシュPCでは、ストレージに保存されている個人ファイルはそのまま残されている。Windows 8のリセットPCでは、OSを初期状態に戻してしまう。このため、個人ファイルも一緒に消去されてしまうちょっと見づらいが、Windows 8でのマルチモニタ。Metroスタイルのスタート画面がプライマリモニタに表示され、デスクトップ画面はセカンダリモニタに表示される。プライマリとセカンダリの切り替えも簡単に行える
Sync PC Settingでは、同じWindows Liveアカウントを入力したPC同士でどの設定を自動的に同期させるかが選択できる。アプリケーションやブラウザ、パスワードなどの同期が可能Metroスタイルで開発されたメールソフト。シンプルだが使いやすそうだ。Hotmailなどのクラウドのメールサービスと簡単に接続できる
Metroスタイルで開発されたカレンダー。これもクラウドのカレンダーと同期しているWindows Phone 7で評価が高いPeople HUBもWindows 8に搭載される予定だ
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