仮想化道場

Broadwellコアベースの省電力プロセッサ「Xeon D」

Xeon Dのパフォーマンスは?

 今回発表されたXeon Dは、Xeon D-1540(2.0GHz動作、ターボ時2.5GHz、8コア)とXeon D-1520(2.2GHz動作、ターボ時2.5GHz、4コア)の2種類だ。今回は2モデルだが、今年の中盤から後半には、もう少しモデルも増えていくだろう。

 パフォーマンスは、サーバー向けのAtomプロセッサ Atom C2000シリーズと比べると、約3.4倍の性能アップを果たしている。サーバーサイドJavaやダイナミックWebサーバーなどのパフォーマンスは3倍以上になっている。ネットワークに関しても、10GbEを内蔵しているため、Atom C2000に比べると非常に高いパフォーマンスを発揮できる

 さすがに、メインストリームのCPUコアアーキテクチャといえるBroadwellコアを採用しているだけあって、SilvermontコアのAtomよりも高い性能を示している。しかし、その分TDPは高めになっている。Atom C2000シリーズが20W(Atom C2750、8コア・2.4GHz)、Core Mが4.5W(5Y70 2コア・1.1GHz、GPU内蔵)だが、Xeon Dは20W~45Wと高い。

 ただ、外付けでPCHチップなどを必要とするAtom C2000シリーズと比べると、SoC化され周辺にそれほどチップを必要としないXeon Dでは、サーバーボード全体で見るとそれほどTDPは変わらないと、Intelでは説明している。

Xeon D-1500シリーズとAtom C2000シリーズでは、3.4倍の性能、消費電力と性能を比較しても、Xeon D-1500シリーズが1.7倍も高い性能を示している
今回発表されたXeon D-1500は、2モデル。8コアのXeon D-1540と4コアのXeon D-1520
Atom C2750とXeon D-1540を比べると、Xeon Dは多くのベンチマークで高いパフォーマンスを示している。特にメモリを使うメモリキャッシング、Webサーバーなどは3倍ほどの性能を示している
Xeon D-1500シリーズとXeon E5 v3シリーズを比較すると、約5.1倍の性能差がある

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 今後、マイクロサーバーなどの高密度サーバーに使われるプロセッサは、SoC化により周辺チップも統合されたプロセッサになっていくだろう。サーバーボードに使われるチップを削減し、サーバーボード全体として低消費電力化と低発熱化することで、高い性能を持ちながら、高密度化を図っていくだろう。さらに、SoC化されたプロセッサによりサーバーボード自体もコンパクト化されていく。

 Xeon Dにおいて10GbEが標準でサポートされたことは、非常に大きい。多数のサーバーボードを接続する、マイクロサーバーなどのスケールアウトサーバーにおいては、ノードとなる個々のサーバーボード間のネットワークを高速化する必要がある。Atom C2000シリーズのようにGbE×4本(もしくは2.5GbE×4本)よりも高速に、内部ネットワークを構成することが可能になる。このことが、スケールアウトシステム全体のパフォーマンス向上につながっていく。

 こういったことを踏まえれば、将来的にスケールアウトサーバーのメインプロセッサとして採用されていくことになるのではないか。

 Intelでは、当面Atom C2000シリーズとXeon Dシリーズは併売され、それぞれのニーズに合ったサーバーに採用されていくと話している。

 サーバー用のAtomプロセッサ、Atom C2000シリーズの後継プロセッサとしては、2013年に、14nmプロセスで製造するDenverton(開発コード名、Airmontコアベース)が明らかにされたが、14nmプロセスの成熟度が遅れているためか、ロードマップがはっきりしない。

 3月始めに、14nmプロセスのCherry Trailがモバイル向けAtom X7/X5シリーズとして発表されている。ここに採用されているCPUコアは、Airmontコアだ。

 ただAirmontコアに関しては、Silvermontコアとほとんど機能は変わらないようだ(Silvermontコアを14nmにシュリンクした)。

 もし、Denvertonがリリースされるとすれば、Xeon Dと同じように周辺チップをSoC化したプロセッサになるだろう。また、CPUコア数やキャッシュメモリを増やすことになるだろう。消費電力に関しても、Xeon Dよりもさらに低くして、10W前後がターゲットになると予想している。

 Xeon Dがリリースされたことで、今後のサーバー向けAtomプロセッサのロードマップがどうなるか分からない。しかし、Xeon Dを20~40W台、Atomを10W前後と位置付けすれば、64ビットARMプロセッサへの対抗ということでは、ラインアップがそろうことになるだろう。

山本 雅史