仮想化道場
NVMeフラッシュメモリで高いパフォーマンスを出す13世代のDell PowerEdge
(2015/3/12 06:00)
昨年9月に発表されたDell PowerEdgeサーバーの13世代は、IntelのXeon E5 v3シリーズ(Haswell世代)を搭載した、非常にパワフルなサーバーだ。今回は、デルからPowerEdge R630をお借りできたので、製品レビューをお届けする。
パワフルなCPUパワーと高い管理性を持つ13世代のPowerEdge
昨年発表された、13世代のPowerEdgeサーバーは、Xeon E5 v3シリーズのプロセッサを採用し、多数のCPUコア(1プロセッサあたり最大18コア)と、DDR4を使用した高速メモリにより、非常に高いパフォーマンスを発揮できる2ソケットサーバーだ。
製品ラインアップとしては、1U/2Uラックサーバーだけでなく、5Uのタワーサーバー(PowerEdge T630)も用意されている。
この中で、筆者は特に、1UサーバーのPowerEdge R630に注目している。
これまで多くのデータセンサーでは、拡張性を考えた場合、2Uサーバーが採用されていた。これはメモリや内部ストレージの拡張性などにおいて、1Uサーバーは2Uサーバーに比べると今一つという状況だったからだ。
しかし、13世代の1UサーバーであるPowerEdge R630は、Intel Xeon E5-2600 v3シリーズを2ソケット搭載しながら、1Uサーバーのサイズに収まっている。プロセッサにXeon E5-2699 v3(2.3GHz、TDP145W)を使用すれば、36コア/64スレッド(18コア×2プロセッサ)という1Uサーバーとしては、高い性能を実現している。
その分、拡張性などが犠牲になっているかといえば、そういうことはない。メモリはDDR4が24本挿せ、最大768GB(今後128GBメモリにより最大容量3TBをサポートする予定)まで搭載できる。PCI Express(PCIe)などの拡張カードも最大3スロット(モデルよって2スロット)用意されている(ただし、拡張カードとしてはハーフレングス/ハーフハイトなどになる)。
ストレージインターフェイスに関しては、デルのRAIDコントローラPERCを内蔵するほか、専用のネットワークユニットにより、Gigabit Ethernet(GbE)/10GbEといったEthernet、8Gbps/16Gbpsのファイバチャネル、10Gbps/40GbpsのInfiniBandカードなど、サーバーとして必要になるI/Oインターフェイスはほとんどカバーできるという。
ストレージに関しては、2.5インチSAS/SATAドライブを最大10台、もしくは1.8インチのSATAドライブを最大24台収容できるシャーシが用意されている。サーバーで1.8インチドライブを採用しているのは珍しい。今後、I/Oが必要な用途ではドライブの中心がSSDになっていくため、場合によっては、2.5インチから1.8インチへと移行していくのだろう。
NVMe仕様のSSDドライブをサポート
13世代PowerEdgeの最大の特徴は、NVMe仕様のSSDドライブをサポートしていることだろう。最大4台のNVMeのSSDドライブを収容できる。
NVMeのSSDは、SATAやSASではなく、PCIe Gen3 x4で接続されている。このため、最大32Gbps(理論値)と6Gbps SATAの5倍以上の性能を実現している。
また、今までのPCIeフラッシュストレージは、サーバーの背面に拡張カードとしてインストールするため、メンテナンスなどもやりにくかった。しかしデルのNVMe SSDは、2.5インチフォームファクタ(SFF-8639コネクタ)を採用しているため、フロントベイに挿すことができる。これにより、メンテナンスなどもやりやすくなる。
このほか、新しい電源ユニットを開発することで、コンパクトであっても冗長構成の電源ユニット(PSU)を搭載している。
このように、フル機能を持つサーバーでありながら、1Uというコンパクトなサイズになっているのは、新しいXeon E5 v3プロセッサやDDR4メモリの省電力性が生きているからだろう。
さらに、13世代のPowerEdgeは、FreshAir 2.0をサポートすることで、通常時の40℃までという条件に加えて、年間の1%の時間(約85時間)まで45℃での動作を保証している。これにより、外気冷却のデータセンター、コンテナ型のデータセンターでの運用がやりやすくなる。一定時間でも高い温度で動かすことをメーカーが保証の範囲内としてくれれば、データセンターの冷却をフレキシブルに運用することができるだろう。