仮想化道場
やっと登場した最上位x86サーバープロセッサ、Ivy Bridge世代のXeon E7 v2シリーズ
(2014/2/19 10:00)
どんなシステムで利用されるのか?
Xeon E7 v2シリーズは、仮想マシンを多数動かすプライベートクラウドやパブリッククラウド、あるいはERPシステムやデータウェアハウス(DWH)などでの利用が想定されている。Intelでは、企業の中核システムを動かすのに足る信頼性、可用性、保守性を持つサーバーとして、Xeon E7 v2シリーズ搭載製品を薦めていきたいと考えているようだ。
サーバーベンダーの中でもHPは、x86ベースのNonStopサーバー提供をすでに発表しているし、x86ベースの高信頼サーバーを提供するProject Odysseyを計画しているため、今回発表されたXeon E7 v2シリーズを全面的に採用したサーバーが、遠からずリリースされるだろう。しかし、Xeon E7 v2シリーズを使ったサーバーを製品化するサーバーベンダーは、おそらく全世界で10社もないのではないか。
それは、やはり、製品価格が高価だからだ。
Xeon E7 v2シリーズは、2.8GHz動作、15コア、8ソケット対応のXeon E7-8890 v2で6841ドル(1ドル100円換算で68万4100円)となり、単体でも高価なプロセッサだといえる。ちなみに、同じように基幹システムで利用されるIPFプロセッサのItanium 9500(開発コード名:Poulson)が、2.53GHzのItanium 9560で37万1780円だったことを考えれば、2倍ほどの価格となっている。
4ソケット向けのXeon E7-4890 v2(2.8GHz、15コア)でも6619ドル(約66万1900円)と高額で、これは2ソケットの場合でもあまり変わらず、最上位プロセッサはほとんど同じような価格帯となっている。最も安いものでも、6コア、1.9GHz、4ソケット対応のXeon E7-4809 v2で1223ドル(約12万2300円)だ。
こういったプロセッサの価格から考えると、8ソケットサーバーに8基のプロセッサを搭載した場合、価格は1000万円を超える高価なものになると考えられる。
それでも、電力コストや管理コストを考えると、Xeon E5 v2シリーズを使った2ソケットサーバーを何台も並べるより、TCOが安くなるかもしれないし、Intel Run Sureテクノロジーによって可用性が強化されていることを評価する場合もあるだろう。
最終的には、サーバー製品がリリースされないとわからない面も多いため、この段階では何ともいえないが、企業のシステム担当者にとって選択肢が増えるのは、歓迎すべきことなのではないだろうか。
今後のサーバーベンダーの動向に、引き続き注目していきたい。