仮想化道場

やっと登場した最上位x86サーバープロセッサ、Ivy Bridge世代のXeon E7 v2シリーズ

CPUコアはIvy Bridge世代のXeon E5とほとんど同じ

 Xeon E7 v2シリーズのCPUコアの機能に関しては、Xeon E5 v2シリーズとほとんど変わらない。AVXのFloatサポート、IPC性能を向上させるチューンアップ、Intelセキュアキー、Intel OSガード機能の追加などが、Xeon E5 v2世代と同じく行われている。

 コア数は、Xeon E5 v2シリーズが最大12コアだったのに対し、Xeon E7 v2シリーズでは最大15コアとなっている。Xeonではモジュラー設計を採用しているため、コストを度外視すればもっとコアを多く入れ込むことができるだろう。しかし、プロセッサのダイサイズなどを考えれば、あまりコア数を増やしてしまうと、ダイ自体が大きくなり価格が高くなりすぎる。このあたりは、価格とダイサイズのバランスといった所だろうか。将来的に、製造プロセスが微細化していけば、もっとCPUコアが増えていく可能性もあるのではないか。

 なおCPUコアは、Xeon E5 v2シリーズと同じく3重ループによって接続されている。これにより、CPUコア同士のアクセスに遅延が少なくなっている。

 また、これもXeon E5 v2シリーズと同じように共有LLCが用意されている。CPUコアごとに2.5MB搭載されているので、15コアでは最大37.5MBの共有LLCを搭載することになる。

Xeon E7 v2シリーズは、Xeon E5 v2シリーズと同じように3重ループによってCPUコアが接続されている。異なるのは最大コア数で、E5v2は12コア、E7v2は15コアとなる
CPUコアは、Xeon E5 v2シリーズと同じコアとなっている。AVXの機能強化、IPCの性能向上、Intel セキュアキー、OSガードなどの機能も搭載されている
共有LLCは、最大37.5MBとなっている。これは、CPUコアあたり2.5MBのLLCスライスが×15となるためだ

 仮想化関連では、APIC(Advanced Programmable Interrupt Controller)を仮想化するAPICvをサポートしている。これにより、仮想環境において、仮想マシンからの割り込みをAPICvで仮想化して処理できるようになったため、実際にVM Exitを必要とする割り込みが少なくなり、ハイパーバイザー全体の性能がアップする。

 I/O仮想化のVTdも、帯域幅を向上することで、仮想環境におけるパフォーマンスが向上している。

APICvのサポート、VTdの性能向上を果たしている

(山本 雅史)