大河原克行のクローズアップ!エンタープライズ

Windows XPの移行支援施策が最終段階に入る理由 (今後はWindows Server 2003の移行を加速)

リスク訴求は継続も今後はSever 2003の移行施策へ

Windows XPからの移行支援策を終了へ

 一方、日本マイクロソフトでは、Windows XPの構成比が1けた台に下がってきたことで、同社2014年度が終了する6月末で、Windows XPに関する一連の施策を終了する姿勢をみせている。

 これまで日本マイクロソフトでは、法人ユーザー向けには、中小企業を対象にしたWindows XP&Office 2003サポート終了ご相談窓口(0120-023-999)を用意。さらにさらに個人ユーザー向けには、6月30日まで無償ダウンロードが可能なデータ移行ツールの提供(使用期限は2014年7月31日まで)、5月31日まで展開していたフリーダイヤルによる相談窓口の開設といった施策を実施してきた。

 「個々のユーザーの事情や考え方もあり、すべてのWindows XPユーザーが新たなOS環境に移行することはないというのも事実。1けた台の構成比となったことで、意志を持ってWindows XPを利用し続けているユーザー以外の移行はほぼ完了したと判断している」とするものの、「今後も継続的に、Windows XPを使い続けることのリスクについては訴えていくことになる」として、同社サイトを通じた告知や、全国展開しているDiscoverキャンペーンを通じた告知活動、Windows XPからの移行が遅れている地域を対象にしたピンポイントでの広告展開などを計画しているという。

 しかし、「これまでのような重点施策のひとつとして告知を行っていく段階は終了したと考えている」との考えを示す。

 だが、一部には移行のための支援施策として継続するものもあり、「現時点では、中小企業向けのWindows XP&Office 2003サポート終了ご相談窓口は7月以降も継続する方向で検討を進めている」としている。

今後はWindows Server 2003の移行を加速

 また、約1年後の2015年7月15日には、Windows Server 2003およびWindows Server 2003 R2の延長サポート終了を迎えることから、今後は、Windows Server 2003からの移行施策を積極化する考えだ。

 高橋執行役によると、Windows Server 2003は、国内で約36万台が稼働しており、Windows Server全体の23%に当たることがわかっている。ここでもパートナーと連動した移行施策を展開していくことになる。

 「もし、すべての案件がオンプレミス環境に移行するということになれば、SIerなどのリソースは足りなくなり、サポート終了までに移行が間に合わないということになりかねないだろう。クラウドを利用することで、新たな環境への移行工数を減らすことができるという提案もしていきたい」としている。

 ここでも、Windows Server 2003ユーザーにおいて、一部残っているWindows XPを搭載したクライアントPCの移行促進活動も行っていくという。

 Windows XPの移行施策については、これで一応の終了となるが、今後はWindows Server 2003の移行に向けた施策展開が加速することになる。

Windows Server 2013のサポートライフサイクル
サーバーならではの検討事項が多数存在するため、移行には時間がかかるという

大河原 克行