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検索と広告の次はAIとクラウド Google I/Oのメッセージ

「完全にエンタープライズ対応」

 Googleは昨年11月、VMWareの共同創業者として知られるDiane Greene氏を迎え、クラウドビジネス部門のトップに据えた。新しい事業部は人を増やしながら、企業への売り込みを続けている。Business Insiderなどによると、Greene氏は、Google I/Oの基調講演のあとのプレスイベントで、顧客からの手応えを語ったという。

 「大変喜ばしく、少々驚きだったのは、どれだけのフォーチュン100企業が、Googleのクラウドに興味を持ってくれているかだった」「われわれは完全にエンタープライズ対応であり、皆、そのことと、われわれの強みをわかっている」とGreene氏は述べ、「エンタープライズに極めて真剣なのだ」とも語った。

 だが辛口批評のThe Registerは、同社のエンタープライズ向けサポートが、ライバルと比べて弱いと指摘する声を紹介。「ある大手のニュースサービスのIT責任者はわれわれに、自社のITをGoogleクラウドに置こうとは思わないと語った。連絡を取りたい相手が会議中で、たどりつくまでに8時間もかかったのだ」と手厳しい。

 Googleは売上の9割を広告に依存してきたが、クラウドを次代の収益の柱にする計画だ。「2020年までに、クラウドカンパニーとして語られるようになる」との目標を技術インフラ担当シニアバイスプレジデント、Urs Holzle氏は公言している。そのカギが、クラウドとAIとなる。

 Pichai氏は、4月に公開した「創業者からの手紙」で、「われわれは、“モバイル・ファースト”から“AIファースト”の世界へ移行してゆく」と語っている。

行宮翔太=Infostand