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「モノのインターネット」活発化 課題は標準化やビジネスモデル (IoTのサイロ乱立に警告)

IoTのサイロ乱立に警告

 業界での具体的な動きとしては、産業用機器メーカーなどがセンサーを装着する取り組みを始めている。これによって、ユーザーは遠隔から製品の性能を監視し、運用やメンテナンスを効率化したり、故障につながる要因を早期に発見することなどができる。General Electric(GE)もその1社で、航空エンジンでIoTを活用して年間1%の燃費改善を実現すれば、20億ドルのコスト削減につながると試算した。GEはIoTを「産業インターネット」とし、大きな好機ととらえているという。

 こうして、企業内での取り組みが始まっているが、やはり本命はコンシューマーだ。家電などのコンシューマー向け製品がインターネットにつながることは、消費者に利便性を高めると同時に、メーカー側のサービス提供を容易にする。また、これまで、販売したらアフターケアするだけだった製品を、継続的な収益を生むサービスのプラットフォームにできるのだ。

 だが、なお課題も多い。CiscoのChambers氏が言うように、業界の枠を超えての取り組みが不可欠だが、懐疑論もあり、協調的な取り組みはなかなか進んでいないのが実情だ。メリットが明確な法人分野でさえ、関係者の間に疑問が根強いようだ。GEの幹部は、軽くあしらう態度や懐疑論が多い、とInformation Ageにこぼしている。

 また、IoTには「サイロ化の危惧」もある。合意しやすい業界や市場ごとのプロジェクトが乱立した結果、「サイロ」(システムが外部と連携せず孤立した状態)が生まれるというものだ。英国政府のIoTプロジェクトConnected Digital Economy Catapult(CDEC)のディレクター、Maurizio Pilu氏は「市場によってエコシステムがどう動くかが異なるため、サイロができてしまう可能性がある。IoTの潜在能力を最大限に実現するには、魅力ある事例の開発を進めながら業界セクターを超えて深く考える必要がある」とInformation Ageに語っている。

(岡田陽子=Infostand)