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「Appleの助けは不要に」 Apple vs FBIの新展開

どうやってパスコードを破る?

 Cellebriteは、どうやってiPhoneのロックを解除するのだろうか――。これについて、まずセキュリティ専門家のJonathan Zdziarski氏が21日のブログで、「NANDミラーリング」と推測した。NANDミラーリングは次のような手順で行うものだ。

 iPhone内蔵のフラッシュメモリーを取り外して、チップリーダーで読み取ってコピーを作る。次にフラッシュメモリーを元に戻して、ブルートフォース攻撃をかける。10回のパスコード失敗で使えなくなったら、今度はコピーから作成したフラッシュを取り付けて、次のパスコードをトライする。こうして最後に正しいパスコードにたどりつく――。

 チップの取り外し・取り付けを行う繊細で面倒なものだが、方法としては比較的知られている。Re/codeなど複数のメディアが、これをFBIが考えている有力な方法として伝えた。

 しかし、FBIのJames Comey長官は24日の会見で、彼らが試している方法はNANDミラーリングではないと明言した。Washington Postによると、「(その方法は)いっぱい聞いた。役に立たない」と述べただけで、詳細は明らかにしていないが、現在検討中の方法は「20日に試したが、うまく行きそうに思える」と期待を語っている。

 FBI(とCellebrite)が、実際にどうやってパスコードを破るのかは依然として謎だが、なんらかの脆弱性をみつけた可能性もある。

 となると、FBIが命令申請を取り下げてAppleの不戦勝になったとしても、同社にとって決して喜べない話だ。

(行宮翔太=Infostand)