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「Messenger」をプラットフォームに Facebookの製品ファミリー戦略

 メッセンジャーは、コミュニケーション・ツールとして広く普及し、その上に各種のサービスを構築しようという動きも活発化している。Facebookは、年次開発者会議「F8」を前に、メッセージサービス「Messenger」の機能強化を打ち出した。メッセンジャーを活用した送金機能を導入し、続けてF8では外部開発者が拡張機能を開発できるプラットフォーム計画を明らかにした。Facebookの戦略シフトだ。

Messengerのプラットフォーム化

 Facebookは3月17日、Messengerの友人間で金銭のやり取りを可能にするメッセンジャー送金機能を発表した。ユーザーが自分のデビットカードとひもづけ、「$」アイコンで金額を指定して送金する。送金は1~3営業日で完了するが、受け取る側もデビットカードを登録する必要があり、受け取り側がデビットカードを登録していない場合は手続きが完了するまでFacebookが管理する。

 通信とクレジットカード情報は暗号化され、PINの作成とTouchIDの有効化によって安全対策を講じられるという。同サービスはまず米国のみでの提供で、米国の銀行が発行したVisaとMasterCardのデビットカードに対応する。

 続いて、3月25日には「F8」で、Messengerをプラットフォーム「Messenger Platform」として外部開発者に開放する方針を発表した。開発者がMessengerをベースとした拡張機能を開発・公開できるものだ。GIFアニメーション、写真、音声クリップなどが中心で、既にESPNなど20以上の拡張機能が構築されている。

 またプラットフォーム戦略と同時に発表したのが「Business on Messenger」だ。企業向けのサービスで、企業が顧客とのやり取りにMessengerを利用できるようにする。例として、Eコマース企業が顧客の注文を受けた後、注文確認、出荷通知などを、Messengerを利用して知らせる模様をデモした。

(岡田陽子=Infostand)