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クラウドを制するものがネットを制する クラウド大手値下げ競争

 3月末、Amazon Web Services(AWS)、Google、Microsoftの主要クラウドサービスベンダーが相次いで値下げした。クラウドの本格的な普及期に入ったとともに、急速にコモディティ化が進みつつあることの証でもある。これら大手プレーヤーの措置には、それぞれの背景と、未来を見据えた戦略がある。

AWSの独走を阻止〜Google、AWS、Microsoftの値下げラッシュ

 今回の価格競争の引き金をひいたのはGoogleだ。同社は3月25日、2013年末に一般提供を開始したIaaSの「Google Compute Engine」を32%値下げするほか、Google Cloud Platformで提供するストレージ「Cloud Storage」は68%、「BigQuery」は85%という大幅値下げを発表した。料金体系にも、長期利用割引として毎月25%以上利用する顧客への割引新サービスを導入した。

 Googleの値下げは、クラウド最大手のAmazon Web Services(AWS)に対抗するものだ。そしてGoogleの値下げ発表の翌日、AWSもIaaSの「Amazon EC2」、ストレージ「Amazon S3」、「Amazon Relational Database Service」などの値下げを行った。EC2の場合は最大で60%、S3では平均51%の値下げとなる。

 値下げ競争はさらに続いた。次には「Windows Azure」でクラウド事業を展開するMicrosoftが3月31日に値下げを発表した。最大65%の値下げとなるストレージのほか、コンピューティングでも最大で35%を節約できるという。さらには、汎用サービスとして新たに「Basic」を導入した。

 この値下げの連鎖は偶然ではなさそうだ。Googleの発表はおりしもAWSが米サンフランシスコで開催した「AWS Summit 2014」の前日。Googleは暗にAWSを指しながら、「(クラウドの)価格は過去5年間、ムーアの法則に従っていない。ハードウェアのコストは年間20%から30%下がっているが、パブリッククラウドの価格は年間8%しか下がっていない」と述べている。

 一方のMicrosoftは4月2日からの「Build」カンファレンスに合わせた、と経緯を説明しながらも、「顧客がクラウドを導入するにあたって、主要な要因になっているのは価格」と述べている。同時に、価格だけでなく、イノベーションと品質も同様に重要だ、と違いをアピールした。

(岡田陽子=Infostand)