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“自動運転”でハイブリッドクラウドを支援 ZeroStackの「AI Suite」

 AWS登場から10年。パブリッククラウドの派手さに目を奪われがちだが、プライベートクラウドも成長を続けている。OpenStackベースのベンチャーZeroStackが2月初め、この分野にフォーカスした「AI Suite」を発表した。AIを武器にした「自動運転(Self driving)クラウド」と呼んでいる。

OpenStackベースのプライベートクラウド技術

 ZeroStackは2014年創業のシリコンバレーのベンチャーで、オープンソースのクラウド基盤技術OpenStackをベースとするサービスを提供している。プライベートクラウドの革新をうたい、自社バージョンのOpenStackを走らせるアプライアンスによってハイパーコンバージェンス(超垂直統合)を実現するという。AWSのパートナーネットワークにも参加しており、そのフォーカスするところは、ハイブリッドクラウド導入と運用での課題解決のようだ。

 「オンプレミスのベアメタルサーバーを、信頼性の高い自己修復クラウドクラスタにする」というのが売り物で、Webサイトでは「開発者はインフラのプロビジョニングを高速化したい」「社内にクラウドアーキテクトが不足」「VMware環境にロックインされている」「AWSのコストが急激に増加」といった課題を一つひとつ挙げ、それらへのZeroStackの回答を示している。

 ZeroStackのCEOで共同創業者のAjay Gulati氏はVMwareの開発出身で、同社はこれまで、仮想マシンの高可用性(HA)機能などを手がけてきた。これを紹介した昨年10月のServerWatchは「VMwareユーザーの98%がvSphereで高可用性機能を利用している。VMwareユーザーをOpenStackに移行してもらうためには、この機能が必要だ」とのZeroStackのコメントを紹介している。

 ZeroStackはHewlett Packard Enterprise(HPE)、Dellなどのハードウェアベンダーとも提携しており、これらベンダーのハードウェアをZeroStackベースのハイブリッドクラウドのオンプレミス部分に容易に利用できるという。

 同社の戦略についてServerWatchは「(OpenStackなどの)オープンソースコミュニティは、必ずしもビジネス上のニーズとの連携を考えているわけではない」とした上で、その中でのZeroStackのアプローチを「OpenStackをすぐに実装して動かせるパッケージにして提供するもの」と評価していた。