クラウド特捜部

国内データセンター開設から4カ月、Microsoft Azureの今を聞く

“リフト&シフト”が中心の活用法

――日本のデータセンターは、予定通りに利用規模が拡大していますか?

 具体的な数字に関しては明らかにすることはできませんが、先日東京で開催した開発者向けカンファレンス「de:code」でお話ししたように、東日本のデータセンターは多くのお客さまに利用されています。

 西日本に関しては、東日本よりも少し余裕がある状況ですが、日本国内のデータセンターの規模を拡大していく時期が遠からず来るでしょう。今回開設した東日本と西日本のデータセンターは、ここ数年間の規模の拡大に対応できるようになっています。

 開発者の方々にお願いしているのは、開発やテストなどでは西日本のデータセンターを使ってほしいということです。クラウドサービスなので、本番サービスは東日本データセンターで展開するとしても、開発やテストでは余裕のある西日本を使っていただければと思っています。

 米国でサービスされているTitanfallのようなオンラインゲームでAzureが利用されるようになれば、一気に10万台の仮想マシンが利用されるようになるでしょう。こういったコンテンツが出てくれば、日本でも一気にデータセンターを使い果たすかもしれません。われわれとしては、こういったコンテンツを作り出せるようなお手伝いをしていければと思っています。

オンラインゲームのTitanfallは、Azure上の10万台の仮想マシンを使ってサービスを提供している。日本でも、これくらいの規模のゲームコンテンツが出てくれば、もっと日本のデータセンターに対する投資が積極的になる

 日本の企業では、まだまだオンプレミスのシステムなどをクラウドに移行するリフト&シフトといった利用が多いですが、われわれとしては、IaaSやPaaSといった区分けを越える、クラウドならではのサービスを日本のお客さまに作っていただければと思います。

 リフト&シフトでは、クラウドのメリットを一部しか享受できていないと思います。そういった意味で、IoT(Internet of Things)など日本の企業にとって得意分野ともいえるところでAzureを利用していただき、新しいビジネスを創造してもらうことが、日本マイクロソフトの経営陣にとっての願いと言えます。

(山本 雅史)