Windows Server 2012研究所
Windows 8.1の企業向けの機能を見る (ファイルアクセスを便利にするWork Folders)
(2013/11/7 06:00)
ファイルアクセスを便利にするWork Folders
Windows 8.1でサポートされたワーク フォルダー(Work Folders:作業フォルダー)は、いわばSkyDriveと同じようなファイル共有サービスだ。
Work Foldersは、Windows Server 2012 R2の「ファイルサービスと記憶域サービス」に新しく追加された同期共有サービスを利用し、サーバー側の共有フォルダーとクライアントのフォルダーをオンラインで同期する。もちろん、クライアントのローカルにファイルがコピーされているため、オフライン状態になっても利用することができる。
Work Foldersのメリットは、Windows 8.1/RT、Windows 7などのPCだけでなく、iOS、Androidデバイス(アプリを導入する必要はある)でもファイルを共有できる点だろう。
ある意味、SkyDrive、Google Drive、Dropboxのようなクラウドでのファイル共有サービスを、Windows Server 2012 R2とWindows 8.1/RT/Windows 7、iOSとAndroidデバイスなどで実現するものといえる。
コンシューマー向けのファイル共有サービスは、さまざまなデバイスからアクセスできるため、ビジネスで利用すると非常に便利だ。しかし、業務の重要なファイルをセキュリティ上問題になりそうなクラウドサービスにアップするわけではない。そこで必要とされているのが、高いセキュリティ性を持つファイル共有サービスだ。
Work Foldersを使えば、Windows Server 2012 R2のストレージ上にファイル共有フォルダーが構築されるため、コンシューマーのクラウドサービスなどにデータが流出することはない。また、Work Foldersは、IRM(Information Rights Management)を使って、ドキュメントにアクセスできるユーザーを制限したり、暗号化をかけたりすることも可能になる。
Windows IntuneとSystem Center 2012 R2 Configuration Managerのモバイルデバイス管理機能を利用すれば、クライアントデバイスのWork Foldersのキャッシュをリモートワイプすることもできる。この機能を使えば、タブレット端末を紛失した時などにファイルを消去できるため、セキュリティが高まるといえる。
通常、サーバーは企業ネットワークの内側に存在するため、外部からのアクセスは制限され、さまざまなデバイスからアクセスはできない。そこで、Windows Server 2012 R2では、Webアプリケーション プロキシ機能し、インターネット経由でWindows Server 2012 R2の共有フォルダーにアクセス(同期)できる仕組みも用意されている。