ニュース

NTT Com、複数の広域ネットワーク上で利用可能な「SDN OAM機能」を開発

SDNの運用保守に必要なエンドツーエンド区間の接続品質の可視化を実現

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は14日、複数の広域ネットワーク上のエンドツーエンド区間において、ネットワーク間の接続品質の可視化やリンクトレース/ループバックが可能な「SDN OAM機能」を開発したと発表した。

 NTT Comでは、総務省の「ネットワーク仮想化技術の研究開発」の委託研究として、日本電気株式会社、日本電信電話株式会社、富士通株式会社、株式会社日立製作所と共同で、通信事業者が提供するモバイルネットワークやインターネットなど、広域ネットワーク全体のSDN化を目指す研究開発プロジェクト「Open Innovation over Network Platform」を、2013年6月から実施してきた。

 プロジェクトにおいて、NTT Comでは、ネットワークのエンドツーエンド区間における通信の正常性を確認する手段であるOAM(Operations, Administration, Maintenanceの略。ネットワークを運用管理する仕組み)機能を実現するため、SDNを構成する物理的なネットワークの接続情報を自動収集することにより、ネットワークトポロジー情報の可視化が可能な「SDN OAM機能」を開発。これにより、広域ネットワークにおいても、ネットワーク間の接続品質やリンクトレースなどの正常性を、エンドツーエンド区間で確認できるようになるため、SDN運用保守者がより正確に回線監視や故障切り分け、回線試験を遠隔対応することが可能になる。

 今回確立した基本技術は、エンドツーエンド区間でどのような機器を経由しているのか可視化して表示する「物理ネットワークトポロジー把握技術」、故障区間を切り分けて可視化する「SDN Connectivity Check確認技術」、エンドツーエンド区間で回線開通時や回線経路変更時に導通試験を行う「SDN Link Trace確認技術」、折り返し導通試験を行う「SDN Loop Back確認技術」で構成される。

 NTT Comでは、今回確立した技術により、広域ネットワークにおけるSDN運用保守がより効率的に行えるようになると説明。将来的に、ビッグデータの活用、高品質な中継放送やグローバルに展開する企業のイントラネット運用など、様々な通信環境において最適にSDNの利用が可能となるよう、実用化を目指すとしている。

 また、2015年12月14日~18日に沖縄県那覇市の沖縄県市町村自治会館で開催される「Okinawa Open Days 2015」において、SDN OAM機能を用いたネットワーク通信の正常性評価に関するデモなどを実施する。

三柳 英樹