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病体生理研究所が「ASTERIA WARP」採用し、検査データの送受信システムを刷新

電子カルテなど医療現場のIT化も見据え、大容量データ処理にも対応

 インフォテリア株式会社は14日、一般財団法人 東京保健会 病体生理研究所(以下、病体生理研究所)が、同社のデータ連携ミドルウェア「ASTERIA WARP」を採用したと発表した。各医療機関との間で交わされる検査依頼データ、検査結果データのフォーマットを変換するシステムにおいて利用されている。

 ASTERIA WARPは、異なるコンピュータシステムのデータを、ノンプログラミングで連携できるミドルウェア。メインフレームやクラウド上のサーバーから表計算ソフトまで、さまざまなシステム間の接続とデータの変換を行うロジックを、複雑なプログラミングなしで行えるという。7月末にリリースされた最新のクライアントOS「Windows 10」にもいち早く対応している。

 今回、病体生理研究所では、医療現場で必要になる血液検査業務などを外部機関として受託している。この業務において、各医療機関との間で交わされる検査依頼データ、検査結果データのフォーマットを変換するシステムに、このASTERIA WARPを採用した。

 採用にあたっては、安定して稼働する仕組みであること、連携先の追加が容易なシステムであること、将来的な大容量データの取り扱いにも対応できる高い処理性能であること、の3つを要件として製品を選定した。また、医療機関などで新たな接続先が増えても追加費用が不要なライセンス体系や、性能向上によるデータ変換システムのサーバー台数削減が見込めることなども評価されたという。

 さらに、医療業務のIT化が進む中で、安定したデータ処理によって各医療機関とのオンライン連携を強化する狙いもあり、今後は、電子カルテを含めた医療現場のオンライン化も見込まれることから、5年後に想定される現在の55倍のデータ量にも対応するシステム基盤を整え、将来のサービス拡大に向けて柔軟に対応していくとしている。

 なお病体生理研究所では、将来的に、検査結果データをASTERIA WARPでWeb形式に変換することで、医療機関が同研究所の検査結果をどこでも閲覧できるような新サービスの実現に向け、構想を練っているとのことだ。

石井 一志