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日立、デンマークにビッグデータラボ設立

 株式会社日立製作所(以下、日立)は4日、2014年9月末までにデンマーク王国に「デンマークビッグデータラボ」を設立すると発表した。ビッグデータを活用して、持続的な社会やより快適な社会の実現に向けた、新情報サービスの創出を目指す。

 デンマークは、“カーボンニュートラル国家”を目指し、「環境・エネルギー」「トランスポート」などの分野で高度な取り組みを進めているほか、「ヘルスケア」分野では2013年から最先端医療施設を建設する「スーパーホスピタル構想」を推進。首都であるコペンハーゲン市は、米国のビジネス誌「Fast Company」による欧州スマートシティランキングで第1位になったほか、国連の世界幸福度報告書2013の幸福度ランキングでも第1位になるなど、その取り組みは高く評価されている。

 国家的な目標や課題をテーマとした産官学連携やユーザー参加型の実証(ユーザードリブンイノベーション)、オープンデータ利用環境の整備など、ビッグデータ利活用にまつわる取り組みに積極的なことでも知られる。

 一方、日立は社会イノベーション事業をグローバルに展開しており、デンマークでは特にストレージソリューションやコンサルティングなどの情報・通信システム事業を中心に事業を展開。ビッグデータ分野の取り組みも加速しており、2013年4月には米国、同年6月には英国でビッグデータラボを開設している。

 今回のデンマークビッグデータラボでは、デンマークの主要都市での産官学イニシアティブや現地機間とのユーザー参加型協働実証に参加するなどして、新たなサービス・コンセプトの構築やビジネスモデルの策定を目指す予定。取組分野としては、デンマーク政府が重要なテーマに掲げる「環境・エネルギー」「トランスポート」「ヘルスケア」から着手する計画。

 今後も、同様の課題を抱える世界中の国・地域への展開を見据える。

川島 弘之