日立、最新のPOWER7+を搭載したスパコン~ラックあたり29.3TFLOPS


SR16000 モデルXN1

 株式会社日立製作所(日立)は14日、流体解析や衝突解析、気象予測と行った科学技術計算分野向けスーパーコンピュータ「SR16000シリーズ」において、最新のPOWER7+プロセッサを搭載した「SR16000 モデルXN1」を発表した。価格は個別見積もりで、販売は2013年1月7日より、出荷は同年4月1日より。

 SR16000 モデルXN1は、CPUに最新のPOWER7+、OSにAIXを採用したスカラ機の中小規模クラスのスーパーコンピュータ。POWER7+と80MBの大容量オンチップL3キャッシュメモリの搭載により、消費電力あたりの性能を従来比で約1.7倍となる727MFLOPS/Wに向上した。1ノードにPOWER7+を2個、メモリを最大512GB搭載でき、最大512ノードを接続して使用できる。

 さらに新たに採用した高密度実装技術により、従来モデルよりもスリム化したラックに最大56ノードを搭載でき、1ラックあたり29.3TFLOPSの理論ピーク性能を実現。設置面積あたりの性能は、従来モデル比で約3.7倍となる44.5TFLOPS/平方メートルに向上した。

 このほか、自動的に演算の並列処理を行う「自動並列化コンパイラ」や「クラスタ管理技術」といった日立独自の技術や運用管理ノウハウを組み合わせることで、性能をシステムとして最大限引き出せるようにした。

 ベクトル機のユーザーに対しては、きめ細かいシステム構成・性能チューニングサービスを提供し、スカラ機への容易なプログラム移行を提供するとのこと。

 日立は今後も先端技術を採り入れ、SR16000シリーズをはじめとするテクニカルサーバーの開発を進め、高性能・省電力なスーパーコンピュータシステムの提案を積極的に行うとしている。

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(川島 弘之)
2012/11/14 12:49