NEC、東海大のプライベートクラウドを構築~約5万IDのポリシーを統合


 日本電気株式会社(以下、NEC)は5日、東海大学のプライベートクラウドを構築したと発表した。

 東海大学は現在、全国10カ所にキャンパスがあり、各キャンパスで個々に行っているシステム運用業務の効率化や、キャンパス間のシステム重複をなくすため、プライベートクラウドを利用したシステム統合を進めている。その一環として、学生用教育端末約2200台のシンクライアント化を決め、NECが構築を支援した。

 一斉起動時のレスポンスとCADなど負荷の高いアプリケーションの利用が求められる学生用教育端末には、ネットブート型シンクライアントシステム「Citrix Provisioning Server」を採用。端末起動時間を約50%削減したという。

 一方、主にオフィスアプリケーションを利用する職員用業務端末には、仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」を採用。仮想PCの利点を生かし、別のフロアや自宅からも自身のクライアント環境を通じて業務を継続できるようにした。

 加えて、図書館、学生生活支援室、キャリア支援課の端末には、約120台の画面転送型シンクライアントシステム「Citrix XenApp」を採用した。

 また、これまで個別に運用・管理していたメールサーバーや認証サーバーなどを湘南キャンパスに集約し、教育研究サービスも順次統合。情報の一元化やサービス品質の統一を実現する。

 さらに、教育研究系と事務系(教職員情報システム・学生情報システム)で個々に管理されていたユーザーIDを、NECの統合認証サービス「SECUREMASTER」により、IDポリシーを統一・整備。大学としては大規模となる約5万IDを統合し、プライベートクラウドを実現した。

 このほか、52型マルチタッチディスプレイを採用した大型タブレット端末「X-Info Table」とクラウドコミュニケーター「LifeTouch」も納入。直感的な操作で情報の収集・分析・共有を効率化するこれらの製品を利用して、問題解決型の授業を実践する環境を構築し、新しい教育研究サービスを実現するとしている。

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(川島 弘之)
2012/3/6 06:00