Project Next-L、クラウド環境を用いたオープンソース統合図書館システムで震災復興を支援


 Project Next-L(Community for Developing Next Library)は4日、同プロジェクトで開発されたオープンソース統合図書館システム「Next-L Enju」ベースのシステムを、南三陸町図書館に無償提供したと発表した。導入支援・運用支援についても提供する。

 東日本大震災での津波の被害により、建物や館内の蔵書がすべて流出する被害を受けた南三陸町図書館では、全国の企業・団体や個人から寄贈を受けた約3000冊の図書を用いて、10月5日に仮設図書館をオープンさせている。

 今回無償提供されたのは、Project Next-Lが契約したクラウド環境で稼働する「Next-L Enju」に、南三陸町図書館向けのカスタマイズを行ったシステム。Webブラウザのみで、すべての操作を行えるため、最小限の設備でも図書館業務を実行可能という。

 なお、図書館の利用再開には、書誌データを国立国会図書館などからダウンロードし、システムへ登録する作業が必要だったが、こうした作業をProject Next-Lの支援のもとで進めてきたとのこと。同プロジェクトでは今後も、多くの住民に図書館を利用してもらえるよう、支援を行うとしている。

 またProject Next-Lでは、同プロジェクトの活動を幅広く認知してもらえるよう、11月9日~11日にパシフィコ横浜で開催される「第13回図書館総合展/学術情報オープンサミット 2011」に参加し、11月11日には一般公開のフォーラム(参加無料)を開催するとのこと。

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(石井 一志)
2011/11/7 17:20