日立、入退管理機能を融合した無線LAN位置検知システム


 株式会社日立製作所(日立)は7日、屋内や屋外、密閉空間において、多数の人・モノの位置情報をリアルタイムに検知する無線LAN位置検知システム「AirLocationⅡ」機能強化版を発表した。従来の位置検知機能に加え、特定エリアへの入退情報を検知できる機能を開発し、位置情報管理と入退管理を同一システムで実現している。発売は8日より、出荷は7月29日より。価格は個別見積もり。

 日立は、RFIDタグと無線LAN信号を用いた複数の測位方式により、誤差1~3mの位置情報管理を可能とする無線LAN位置検知システム「AirLocationⅡ」と、微弱な電波エリア帯をRFIDタグをつけた人・モノが通過することで入退室管理を行う通過検知システム「AirLocation/MJ」を提供してきた。

 今回の機能強化版では、両者の機能を追加・連携させることで、位置情報管理と入退管理を同一システムで実現している。具体的には、「AirLocationⅡ」向けにRFIDタグ「AirLocationⅡTag-S」を新開発し、「AirLocation/MJ」の入退情報を検知する機能を連携させている。

 「AirLocationⅡTag-S」は、位置検知用の情報を発信する機能に加え、微弱な電波エリア帯を通過したときだけ情報を発信する機能を搭載。ブザーや緊急コールボタンも備え、位置や入退の情報と組み合わせて、さまざまなサービスに対応する。例えば、危険なエリアに入った際にブザーを鳴らしたり、緊急コールを発信した人の位置の特定が容易なため、救助活動など緊急時の迅速な対応も可能という。透明カバーにより、名札シートへの収納やストラップの取り付けも可能なので、通常の名札としても携帯できる。

 これらにより、データセンターなど機密情報を扱うエリアでのセキュリティ管理や、危険な作業を行う作業員の安全管理など、より詳細な位置情報を必要とする業務に、コストを抑えながらシステム導入できるとしている。

基地局RFIDタグ

LF発信機レシーバ
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(川島 弘之)
2011/3/7 13:42