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エンバカデロ、ビルドや実行速度を高速化した「RAD Studio 13.2」などを提供開始

 エンバカデロ・テクノロジーズ(以下、エンバカデロ)は24日、クロスプラットフォームネイティブアプリの統合開発環境の最新版となる「RAD Studio 13.2 Florence」「Delphi 13.2」「C++Builder 13.2」の提供を開始した。

 RAD Studio 13.2では、Linux Intel 64-bitおよびWindows Arm64EC向けに並列コード生成機能が導入された。これにより、複数のCPUコアを同時に活用したビルド処理の高速化を実現した。FireMonkeyアプリケーションの代表的なリビルド処理の社内テストでは、ビルド時間が最大14倍高速化した。また、LLVMコード最適化により、いくつかのテストで実行速度が2〜4倍、最大では7倍に高速化したという。

RAD Studio 13.2 FlorenceのIDE画面

 同バージョンでは、DelphiのLinux Intel 64-bitコンパイラツールチェーン全体をLLVM 20に移行し、Linuxのサービス、ミドルウェア、データベースアプリケーション、サーバーサイド、FMXLinuxによるGUIアプリケーションを対象に、最新のリンカと詳細なデバッグ情報が利用可能となった。同機能は、EnterpriseおよびArchitect エディションで提供される。

 新たに提供する「SmartCore AIコンポーネント」は、OpenAI、Anthropic Claude、Google Gemini、Ollamaの各AIサービスに個別実装することなく接続できるコンポーネント群。プロバイダー非依存アーキテクチャを採用し、対話型AI、コンテンツや画像の生成、構造化レスポンス、インテリジェントデータ分析といった機能をDelphi/C++ アプリケーションに容易に実装できる。

 新ライブラリの「MCPConnect」は、Delphi/C++BuilderでMCP(Model Context Protocol)サーバーを構築するための基盤ライブラリ。ルーティング、シリアライゼーション、スキーマ生成、セッション管理を処理し、MCPに対応したAIクライアントやエージェントからDelphi/C++アプリが持つビジネスロジックやデータを直接呼び出せる。

 SmartCore AIコンポーネントおよびMCPConnectは、いずれもGetIt経由で後日入手可能になる。

 また、RAD Studio 13.2では、「ナビゲータ」プラグインをIDEに直接統合した。これにより、大規模なコードベースや不慣れなプロジェクト内の移動コストを低減する。リアルタイム移動機能により、ユニット、型、メソッド、シンボルに即座にジャンプできる。エディターのミニマップ上でソース構造、現在行、ブレークポイント、エラーを俯瞰(ふかん)でき、IDEとデバッガの信頼性も向上している。同機能は、DelphiおよびC++Builderの両方で利用できる。

 C++Builderでは、Win64xツールチェインを強化した。Win64xコンパイラがIDE内のプロセスで動作し、並列コンパイルが可能になった。ビルド進捗表示の精度向上、キャンセル操作への迅速な応答、構造化された診断情報の提供により、C++開発の待ち時間と不確実性を低減する。また、パッケージサポートの改善とデバッガの強化も行われている。

 Windows Arm64ECをターゲットとするDelphiアプリケーションでは、動的ランタイムパッケージの作成と利用が可能になった。パッケージベースの配置や共有ライブラリの利用といった既存アプリケーションのアーキテクチャを維持したまま、Windows on Armに移行できる。

 VCL(Visual Component Library)に、モダンUIを実現するコンポーネントとして、タブベースのナビゲーションを実現する「TTabView」と、通常/コンパクトモードを切り替えられる垂直方向の「TNavigationView」を追加した。TTabViewは画像、複数行キャプション、スクロールに、TNavigationViewはドラッグ&ドロップによる並べ替えと高度なカスタマイズに対応する。

 また、FireMonkeyのスタイルデザイナを拡張し、IDEから直接起動して既存のVCLスタイルファイルをインポートできるようになった。未使用リソース、無効な参照、重複する名前を検出する分析ツールも追加した。Skia4Delphi 7.3を採用し、Per-Monitor v2 HighDPI対応とWindowsアニメーションの改善、Linux互換性の拡大を図っている。