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日立、物流データを一元化して経営課題の分析と法令順守を支援する「HDSL / Insight and Execution Agent」を提供

(左から)「Hitachi Digital Solution for Logistics / Insight and Execution Agent」のダッシュボードの例、全体像

 株式会社日立製作所は3月31日、物流データを一元化して経営課題の分析と法令順守を支援する物流統括管理者(CLO)向けソリューション「Hitachi Digital Solution for Logistics(以下、HDSL)/ Insight and Execution Agent」を4月に提供開始すると発表した。

 2026年4月に施行される改正物流効率化法では、経営視点で自社の物流課題を統括し、持続可能なサプライチェーン構築と効率化を担うCLOの選任・届け出が一定規模以上の企業に義務化される。HDSL / Insight and Execution Agentは、業務や拠点などで分断され、多様な形式で保管されている物流データを統合し、KPI(重要業績評価指標)の状況の可視化から分析・施策検討、実行調整までを支援することで、サプライチェーン全体を俯瞰(ふかん)できるプラットフォームとして、現状把握を容易にする。

 4月には第1弾として、改正物流効率化法が求める物流コストなどのKPIを可視化する機能を提供開始する。システム接続やデータコンバーターを用いることで、分断されていたデータを自動で収集・標準化し、統合・一元管理する。これにより、改正物流効率化法で企業に求められる努力義務への対応に不可欠な、積載効率の向上や荷待ち・荷役時間の短縮に関するKPIに加え、これらの取り組みの結果として把握すべき物流コストやCO2排出量といった経営管理KPIを、一体的に可視化・管理可能にする。

 さらに、予算や目標値、基準時間からの乖離(かいり)をシステムが検知した際には画面上にアラートを発し、アクションの必要性を通知することで、問題箇所の迅速かつ詳細な分析を促す。データに基づいた部門間連携や迅速な意思決定を支援し、法改正への確実な対応と、持続可能で強靭(きょうじん)な物流ネットワークの構築に貢献する。

 日立は自らを「カスタマーゼロ」として、自社の先進技術やソリューションを先行して実践する取り組みを進めており、課題解決を通じて培った知見をもとに、顧客への価値を提供している。

 HDSL / Insight and Execution Agentにおいても、日立グローバルライフソリューションズ株式会社(以下、日立GLS)や株式会社日立ビルシステム、株式会社日立ハイテクなどで、ソリューションのPoC(概念実証)を実施している。各社の物流特性や業務実態を踏まえ、改正物流効率化法への対応を実務として進める上で、どの物流KPIを管理指標とし、どのような状態をアラートとして捉え、どの改善施策の検討につなげるべきかについての知見を得た。

 具体例として、日立GLSとの協創では、車両データが取得できず積載率の算出が難しい場合でも、ソリューションを活用して、出荷実績データから納品先別の物量傾向を可視化した。これにより、積載率低下の要因となり得る少量多頻度納品や繁閑差の発生状況を把握できたことが、配送頻度や配送ルートの見直しといった改善施策の検討につながったという。第1弾では、これらの知見を反映し、物流管理に必要なKPIやアラート条件を可視化・管理できるダッシュボードとして設計したという。