ニュース
GMOインターネット、NTT東西、QTnetの4社、IOWN APNを活用した東京-福岡間の遠隔分散型AIインフラ技術実証を完了
2026年3月31日 15:34
GMOインターネット株式会社、NTT東日本株式会社、NTT西日本株式会社、株式会社QTnetの4社は30日、IOWNのAPN (All-Photonics Network)を活用した東京-福岡間の遠隔分散型AIインフラの技術実証を完了したと発表した。
4社は、地理的制約を超えた分散型AI開発基盤の実現に向け、高速大容量かつ低遅延という特徴を持つIOWN APNを活用し、遠隔地にあるGPUとストレージを接続した際の技術的実現可能性を検討してきた。
2025年7月には福岡のデータセンター内に遅延調整装置「OTN Anywhere」を設置し、GMO GPUクラウドを利用して、画像認識(ResNet)と言語学習(Llama2 70B)の2つの試験タスクを実行した。東京-福岡間相当(15ミリ秒)の疑似遅延条件において、ResNetのベンチマークスコアの低下は12%程度であることが確認でき、商用利用可能な範囲と判断し、本実証へと進めた。
本実証では、2025年11月から2026年2月にかけて、実際の拠点間ネットワークとして、GMOインターネットグループの第2本社(東京・渋谷区)とQTnetのデータセンター(福岡・福岡市)をIOWN APN(100GbE)で接続した。福岡側にGPUサーバー「NVIDIA HGX H100」、渋谷側に高速ストレージ「DDN AI400X2」を配置し、遠隔ストレージを利用した際のAI学習性能を測定した。
その結果、大規模言語モデル(LLM)の学習においては、ローカル環境との比較でわずか約0.5%の性能低下にとどまり、その影響は極めて限定的であることを確認した。データ読み込みを伴う画像分類タスクについても、学習データの最適化などにより、遠隔環境でも実用レベルでの処理が可能であることを確認し、ワークロードの特性に応じた設計により、遠隔分散環境での実用的なAI開発が可能であることを実証した。
4社は、今回の実証の成功は、物理的な距離による「計算資源とデータの分離」という課題を解決する大きな転機になると説明する。実証が「データは動かさず、計算資源が遠隔からデータへアクセスする」モデルはデータ主権やセキュリティ要件が厳しい分野における新たな選択肢を提示するもので、データ転送の時間とコストの削減、重複管理の排除、オンプレミスとクラウドを組み合わせた計算資源の選択肢拡大が可能になるとしている。
とりわけ、データを自社施設・自組織の管理下に置いたまま国内クラウドのGPUリソースを活用できるこのモデルは、金融・医療・防衛・行政といった内部統制やデータ越境規制が厳しい分野での「ソブリンクラウド」実現に大きく貢献するものと期待されるとしている。
また、実証はIOWN APNが単なる通信回線にとどまらず、AIやクラウド基盤を支える社会インフラへと発展していく道筋を示したものだとして、4社は今後、IOWN APNの普及とGMO GPUクラウドをはじめとするクラウドサービス事業者、ならびにQTnetなどの地方データセンターとの連携を進めることで、IOWN APNがAI基盤のバックボーンとして社会実装していくことを目指すとしている。
