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日立、産業現場で用いられる図面の読解に特化した生成AI向け学習技術を開発

 株式会社日立製作所(以下、日立)は3日、インフラや産業現場で広く用いられる電子回路図や配管図、配電図などの図面を、生成AIが高精度に読み取るための学習技術を開発したと発表した。

 今回、日立が開発したのは、産業現場で用いられる図面の読解に特化した生成AI向け学習技術。図面画像と、その図面内で示された機器の接続関係を両者が同じ情報であると理解させる正解テキストのペアを作成し、生成AIに追加学習させる手法により、電子回路図や配線図、配管図など、多様な産業図面に柔軟に対応可能で、複雑な要素間の接続関係を高精度に認識できるという。

 また、開発した手法を電子回路図の読み取りに適用したところ、追加学習により、従来手法では誤認しやすかった線の存在や矢印の向きなどをより正確に認識し、接続関係の認識精度が約220%向上することを確認したとしている。

 これにより、従来は生成AIが苦手としていた複雑な機器間の接続関係も正確に認識でき、現場に眠る大量の図面から現場のナレッジをデジタル化することが可能。さらに、抽出した現場ナレッジにAIを活用することにより、過去の設計事例やトラブル対応履歴を迅速に参照できるようになるため、熟練技術者のノウハウ継承や保守・設計業務の効率化など、多様な現場での活用が期待されるとのこと。