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さくらインターネット、「NVIDIA H200 GPU」採用のマネージドスーパーコンピューター「さくらONE」を提供
2025年9月30日 15:08
さくらインターネット株式会社は30日、「NVIDIA H200 GPU」を採用したマネージドスーパーコンピューター「さくらONE」の提供を開始した。
「さくらONE」は、2025年6月に発表されたスーパーコンピューターの国際性能ランキング「TOP500」で世界49位を獲得した、「NVIDIA H100 GPU」構成のシステム技術をベースに再構築したマネージドスーパーコンピューター。GPUメモリ141GBを有する「NVIDIA H200 GPU」を8基搭載したサーバーで構成され、最大55台、合計440基のGPUリソースを同時に活用できる。
さくらインターネットが運営する石狩データセンター内のコンテナ型データセンターに構築し、直接液体冷却方式(DLC:Direct Liquid Cooling)による高効率な冷却と、電力制限を設けない設計により、「NVIDIA H200 GPU」が持つ性能を最大限に発揮する。
「NVIDIA H200 GPU」の性能を生かすことで、気象予測や防災シミュレーションの大規模モデル解析、医療分野の画像処理やゲノム解析、エネルギー分野における流体や構造解析など、高度な科学技術計算を安定かつ効率的に実行できる。
また、「さくらONE」はサーバーリソースの提供に加えて、計算ジョブの管理機能(ジョブスケジューラー)や、処理状況の可視化、ユーザーアカウント管理、障害時のノード交換対応など、計算環境の立ち上げから日常的な運用管理までを一括で支援するマネージドサービスとなる。これにより、開発環境の構築や運用にかかる時間とリソースの負担を削減し、短期間で高性能な計算基盤を利用できる。
さらに、「さくらONE」の利用期間は最低30日から、1日単位で最大55台のうち必要な台数と期間を予約して利用できる。計画的な利用だけでなく、試験導入や段階的なスケールにも対応できるため、多様なニーズに対応できる柔軟性と即時性を備えており、生成AIの実用化を支える計算基盤として幅広く活用できるとしている。
さくらインターネットでは今後、「NVIDIA Blackwell GPU」を採用した新たな「さくらONE」の提供を予定する。また、11月に開催される「TOP500」へのエントリーも予定しており、性能向上に向けた取り組みを継続し、ランキング上位を目指していくとしている。