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SCSK、製造業のエンジニアリングチェーン変革を支援するサービス「SuccessChain for ECM」を提供
2025年9月22日 09:00
SCSK株式会社は19日、製造業のエンジニアリングチェーンマネジメント(以下、ECM)領域を包括的に支援する新サービス「SuccessChain for ECM」を提供開始した。
SuccessChain for ECMは、製造業における設計・開発・製造の各工程において必要な技術情報を一元管理できる基盤を導入し、工程ごとに合わせたテンプレートの導入・運用支援を伴走型で提供し、モノづくりにおける現場の課題を解決する。
さらに、AIとデジタルツインを活用することで、過去データに基づいた最適な設計・工程進行・不具合予測が可能となり、仮想空間でのシミュレーションや遠隔操作を通じて、品質向上・納期短縮・コスト削減といったQCD改善を実現する。これらの取り組みにより、エンジニアリングチェーン全体において「属人化から標準化」「分断から連携」、そして「非効率から効率化」への変革を支援する。
SCSKでは、製造業の顧客から「設計変更が現場に反映されない」「CAE(シミュレーション)解析結果が属人化して再利用できない」といった具体的な声を多数受けていたと説明。こうした現場が抱える課題に寄り添う形で、SuccessChain for ECMの提供に至ったという。
SuccessChain for ECMは、SCSKが蓄積した製造業の業務知見と業務テンプレート、AIを活用し、製造業のエンジニアリング業務に適した基盤の迅速な導入から、複雑なデータの活用・業務効率化までを一貫して支援するサービス。
アセスメントで抽出した顧客の課題に対して、導入から運用までを一貫してサポートし、急激な市場変化への迅速対応を可能にする。BOM(部品表)データやR&D(研究開発)、解析結果に関する情報を一元的に管理することで、モノづくりの現場における業務全体の質とスピードを高め、競争力と経営判断力の強化に寄与する。
提供するサービスのうち、アセスメント/PoC(概念実証)サービスでは、ECM領域の課題を診断し、優先度と解決方針を明確化する。さらに「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン」を活用し、課題を体系的に整理する。
エンジニアリング基盤(MDE:モノづくりデータエンジニアリングサービス)では、PLM(製品ライフサイクル管理)プラットフォーム「Aras Innovator」を活用し、設計図、CAE解析データ、EBOM・MBOM(部品構成)、BOP(製造工程)などを一元管理することで、製品開発の情報連携と効率化を実現する。CAEワークフローサービスでは、解析業務をモデル化することで属人化を防ぎ、上級ユーザーが構築したワークフローをWebアプリとして共有することで、誰もが利用できるエンジニアリング計算機を通じて、工学的根拠に基づいた迅速な意思決定を可能にする。
コンテンツサービスでは、製造業におけるモノづくりの革新を目指し、まずPLMの導入からスタートし、CAE・CADの連携、AIやデジタルツインの活用、さらにR&D領域への応用へと段階的に展開していく。標準的な導入支援に加え、個別ニーズに応じたカスタマイズ開発にも対応し、設計・開発・生産の各工程の効率化と高度化を支援する。
PLMコンテンツでは、SCSKが蓄積してきた業務知見を体系化した「ナレッジDB」を活用することで、PoC段階から業務に即した確認を進め、スピーディかつ高品質な導入を実現し、BOMや品質情報などのモノづくりに関わる情報を有機的に一元管理することで、QCDに関する課題の解決に貢献する。
定着化支援サービスでは、導入後も業務改善状況をモニタリングし、追加の機能開発や人材育成などを通じて、ECM領域における業務の継続的改善を伴走型で支援する。
SuccessChain for ECMは今後、PLMを皮切りにCAE・R&D・AI・デジタルツインと領域を広げ、SCSK独自のAIエージェントを実装することで、自然言語処理と機械学習技術により、モノづくりに必要なデータを有機的に連携し、誰もが・いつでも・どこでも瞬時に利用できる環境を整え、エンジニアリングチェーン全体の課題解決を支援し、製造業のデータドリブン経営の実現を後押しするとしている。
SuccessChain for ECMの価格は要問い合わせ。SCSKでは、2030年3月までに50社への導入を目指す。