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パナソニック、データセンターの冷却に特化した次世代冷却水循環ポンプを開発
2025年6月13日 09:00
パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社(以下、パナソニック)は12日、同社が手掛けるポンプ事業において、新たにデータセンター向けの冷却ポンプ市場に参入すると発表した。
近年、AI技術の進化に伴って世界各地でデータセンターが増加傾向にあり、生成AIデータセンターでは、高度な演算によりCPUやGPUチップあたりの発熱量が急速に増大しており、従来はエアコンやファンを用いた空冷式が主流だったが、効果的かつ効率的な冷却が求められることから、冷却効率が高い液冷式への注目が高まっていると説明。
パナソニックは、70年にわたるポンプ事業で培った独自技術とシステム設計力を結集し、データセンターの冷却に特化した次世代型冷却水循環ポンプを新たに開発した。同製品は、冷却システムのコアであるCDU(Coolant Distribution Unit)への組み込みを前提に、高効率・小型・長寿命を実現、環境負荷の低減と安定稼働を両立し、次世代インフラの冷却ニーズに対応する。
開発したポンプは、磁場解析・流体解析・流動解析などの高度なシミュレーション技術を駆使し、従来と同等サイズながらポンプ性能の75%アップ(40→70L/min)を実現した。これにより、システム全体のエネルギー効率向上と、冷却システム設計の簡素化に貢献する。
機器組み込みポンプで培った設計ノウハウを生かし、コンパクトな筐体を実現。限られたスペースのCDU内への格納を可能にした。これにより、柔軟なレイアウトで、CDUの設計自由度が大きく広がるとしている。
さらに、水中すべり軸受けの採用と最適化された構造設計により、長期にわたる安定稼働とメンテナンス負荷の軽減を実現。データセンター運用における信頼性とコスト最適化に貢献する。
パナソニックでは、データセンター市場への参入を皮切りに、インフラの熱対策向け冷却ソリューションへの貢献を図り、ポンプ事業を拡大し、2035年累計出荷1億台を目指す。