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A10、アプライアンスの新エントリー機種「A10 Thunder 1060S-AI」を提供へ AI処理を高速化する専用ハードを搭載

 A10ネットワークス株式会社は11日、ハードウェアアプライアンスのラインアップにおいて、AI処理の高速化を実現する専用ハードウェアを搭載したエントリークラスの新モデル「A10 Thunder 1060S-AI」を発表した。日本市場では2026年前半にリリースされる予定としている。

A10 Thunder 1060S-AI

 「A10 Thunder 1060S-AI」は、従来の「A10 Thunder 1060S」に、AI推論・学習を高速化する専用アクセラレータ「AI-Engine」を搭載した新エントリーモデル。AIを活用したセキュリティ機能やプロアクティブな監視機能を高速化できるほか、負荷の高い複雑な演算処理をAI-Engineにオフロードすることで、従来よりも高速で低遅延なアプリケーショントラフィック処理を実現するという。

 筐体は1Uサイズで、ネットワークインターフェイスとして、1000BASE-Tポート、10G/25Gファイバーポート、1G/10Gファイバーポートを搭載。TLS 1.3の高速化にも対応する。また異なるモデルタイプにより、アプリケーション配信・サーバー負荷分散や、ファイアウォール、クラウドアクセスプロキシ、SSL可視化、DDoS攻撃緩和などの各種機能を提供するとのこと。

 なおA10では、大規模言語モデル(LLM)による生成AIの普及に伴い、多様な場面でAが活用されるようになっている現状において、「AIをターゲットとした新たな脅威」と、「AIを悪用した新たな脅威」の2つのリスクを考慮する必要があると指摘。

 AIをターゲットとした脅威として、LLM自体への攻撃や機密情報の漏えいなどを、またAIを悪用した脅威では、AIによるボットネット制御や防御対策に自動適応するDDoS攻撃などを挙げ、AIを活用したさまざまな機能を搭載するとともに、それらの機能を十分な性能で提供できる専用のハードウェアモデルを提供すると、「A10 Thunder 1060S-AI」提供の背景を説明している。

 また今後も、ミッドレンジクラスのハードウェアアプライアンスでAI対応モデルをリリースするとともに、ハードウェアアプライアンスだけでなく、AIを活用した新機能も提供していく予定とのことだ。