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NEC、SDN関連ソリューションメニューを体系化~関連事業を大幅強化へ

SDNとは?

 日本電気株式会社(以下、NEC)は10日、ソフトウェアでネットワークを制御するSDN(Software Defined Networking)事業強化の一環として、企業/官公庁、通信事業者、データセンター事業者などに向けたSDNソリューション「NEC SDN Solutions」を、グローバルで体系化し、10月より順次提供していくと発表した。自社製品・サービスだけでなく、パートナーの製品などを組み合わせてソリューション化し、顧客の課題解決を図るという。

 NECではもともと、ネットワーク制御技術であるOpenFlowをはじめ、SDN関連の研究に対して積極的に取り組んでおり、さまざまなコミュニティや標準化団体にも参画して、SDNの普及促進に貢献してきたとのこと。

 製品としても、OpenFlow対応製品「UNIVERGE PFシリーズ(プログラマブルフロー)」を世界に先駆けて発売した実績がある。また、運用管理ツールである「WebSAM」にも積極的にSDN技術を取り入れ、5月29日には、SDNを応用し、データセンターの運用自動化を支援する「WebSAM vDC Automation Ver2.0」を発表している。

NECのこれまでの取り組み
市場に先行してSDN製品を提供してきたという

 今回は、こうした、データセンター向けを中心とした技術・製品を軸にしてきた事業展開を一歩進めるもので、製品事業の実績をもとに、ソリューション事業を展開。企業、そして通信事業者向けに適用マーケットの拡大を図るのが目的だ。

 具体的には、通信回線の利用効率化を行う「拠点・データセンター接続最適化ソリューション」、ネットワーク機器の集約と集中管理・見える化を実現する「オフィスLAN最適化ソリューション」、アクセス認証によりグループ単位で分割した仮想ネットワークを構築する「アクセス認証ソリューション」、サーバーやネットワークなどのリソースをプール化し、自動で払い出せるようにする「IaaS運用自動化ソリューション」、既存のネットワーク環境を変更せずにデータセンター統合を可能にする「データセンターネットワーク統合ソリューション」といった5つを、第1弾として用意した。

 NECでは強みとして、100社以上に導入してきたSDN関連製品の実績や、大規模社会インフラをソリューションとして提供してきた経験などを挙げるが、一般的なソリューション構築の場合と同様、これらのソリューションでは自社製品に固執せず、必要に応じてパートナーの製品を組み入れ、よりユーザーのニーズにあった適切なものを提供するとした。

ソリューションの第1弾として5つのメニューを提供

 また、SDNソリューション提供を支える体制としては、2013年4月に全社横断的な組織「SDN戦略本部」を40人規模で設立。SDN事業戦略の立案するとともに、各市場向けのSI/サービスや製品開発を行う関連部門を、グループ会社を含めて統括し、SDN事業をより強力に推進できる体制を整えた。その一方で今回、社内にSDN専任のバーチャルなエンジニア組織を設け、それぞれの案件に沿った最適なSDN案件に携われるようにするとのこと。規模としては、2015年段階までに800名体制で整備する。

 さらに2013年6月には、英NEC Europe内に「SDN Technical&Marketing Centre」を設立しており、世界の通信事業者に向けたSDNソリューションの開発や、提案、システム構築/サポートを強化。合わせてETSI(ISG NFV)など、標準化団体への積極的な参画を行っていくという。

 なおNECはグローバルなSDN市場の規模について、2015年段階で1兆3000億円、2017年で4兆7000億円と急激な成長を予測。その中で、「2015年には1500億円の売り上げを目標にする」(SDN戦略本部長の野口誠氏)との見通しを示した。

SDN戦略本部長の野口誠氏
SDN市場は急激な成長が見込まれているという

石井 一志