ネットワンのコンサル事業、「ワンストップ」「ベンダーフリー」が強み


サービス事業グループ プロフェッショナルサービス本部 ビジネスコンサルティング部長の伊藤直樹氏

 ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワン)は11日、コンサルティングサービスの取り組みに関する記者説明会を開催した。

 同社のコンサルティングサービスでは、「CIOによる組織のICT戦略策定と運営の視点に立ち」というコンセプトの下、「ICT戦略コンサルティング(戦略策定)」「ソリューションコンサルティング(戦略実行)」「マネジメントコンサルティング(実行管理)」の3領域で支援を行っている。特徴は「課題抽出からToBeモデルの策定、具体的な課題解決、運用管理までワンストップに支援する点」(サービス事業グループ プロフェッショナルサービス本部 ビジネスコンサルティング部長の伊藤直樹氏)という。

ICT戦略コンサルティング(戦略策定)ソリューションコンサルティング(戦略実行)

マネジメントコンサルティング(実行管理)

 従来は、同社が最も得意とする「ソリューションコンサルティング(戦略実行)」のみだったが、昨今では「より上流でも支援して欲しい」という顧客の声に応え、「ICT戦略コンサルティング(戦略策定)」などにも注力するようになっている。

 強みは「ICT基盤全体を考慮できる」「ベンダーフリー」「ICTの基礎となるネットワークの技術力」(伊藤氏)。現在もサービスの強化を進めており、「ICT戦略コンサルティングの強化、運用管理コンサルティングの強化、セキュリティコンサルティングの強化を図っているところ」という。

自治体向けにICT戦略コンサルティングを提供した事例

 説明会では、自治体向けにICT戦略コンサルティングを提供した事例も紹介した。この自治体では「税収の減少に伴う情報化予算の削減傾向」「個々のシステムでシステム導入効果を高める必要がある」「システム間連携における問題を解消し調達費用を削減したい」「全庁職員のスキルを底上げしたい」といった課題があったという。

 これに対してネットワンは、1)次期情報化推進計画の策定、2)ライフサイクル管理マニュアルの策定、3)ICT技術標準化指針の策定、4)ICT人材育成指針の策定という4つの支援を行った。

 「このお客さまでは複数のシステム化案件が存在していた。実際にどのシステムをどのように実現するかを見極めるために作成したのが次期情報化推進計画。さらにどの担当者も共通して運用管理できるように、またシステム導入効果の評価・改善を可能にするために、ライフサイクル管理マニュアルを策定。さらに各システムで技術要素を標準化するために、ICT技術標準化指針を策定した。これにより、システム間連携における問題を解消している。さらにICT人材育成指針を作ることで、要員スキルの段階的引き上げを行った」という。

 これにより、「業界やICT技術の動向を踏まえた効果的な事業を選定可能になったほか、組織の将来目標や事業目標がどのようなシステムで実現されるかが明確になった。また、これまで経験則に頼っていた調達が、組織的な一定のルールで実行可能になるなど、いくつもの効果が得られた」と説明している。

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(川島 弘之)
2012/1/12 06:00