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CTC、AITOMATIC製品を活用した特定分野向けの生成AI基盤を提供
金融業界向けの目的特化型モデルを構築、今後は製造業などへも展開
2025年1月9日 09:00
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は8日、金融業や製造業などの特定分野向けの生成AI基盤を提供する米Aitomatic(以下、AITOMATIC)との販売代理店契約を12月に締結したと発表した。
AITOMATICの生成AI基盤は、特定の業務や専門分野の情報を学習した目的特化型モデル(SSM:Small Specialist Models)と呼ばれる、比較的小規模な言語モデルを構築し、それらを複数組み合わせることにより、精度の高い回答を実現するプラットフォーム。
SSMは、特定領域に絞っているため短期間での学習が可能で、チューニングやメンテナンスの負荷を軽減できるほか、AI自身が最適なSSMを自動的に選択する「AIエージェント」の仕組みも備わっており、対話の文脈、前後関係、背景、状況などに応じた複雑なタスクにも対応するという。また、クラウドとオンプレミスの両環境に対応し、企業ごとに最適化された高セキュリティな生成AI環境を実現するとのこと。
CTCでは、金融商品の需要予測やデータ分析などに関連した大規模なシステム構築で培ってきたノウハウを生かし、財務・非財務データ、貯金やネットバンキングなどのマニュアルなどを基に、金融業界に特化したSSMを構築。回答精度の評価・チューニング、システム基盤の構築、保守運用を実施する。
さらにこの基盤を活用し、投資のリスクや利益を含めた投資ポートフォリオについて、対話型で質問や相談に対応するチャット形式のAI投資アドバイザリーソリューションの開発も進めているとした。
価格は500万円(税別)からで、金融業界向けに展開し、3年間で10億円の売上を目指すとしている。また今後は、製造業を含めたさまざまな業界向けのSSMも拡充する考えである。