ニュース

NTT Com、スマートホテルソリューションにサービスロボット連携や音声認識機能を追加

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は9日、宿泊業界のDXに貢献するスマートホテルソリューションに、サービスロボットとの連携、音声認識機能を追加すると発表した。これにより、宿泊業界におけるインバウンド需要増加や人材不足といった課題への対応のほか、宿泊客に新しい宿泊体験を提供することで、従業員・宿泊客両方の満足度向上に貢献するとしている。

 NTT Comは、宿泊施設の運用に関わる多岐にわたるシステムをまとめて構築し、コンサルから運用・保守まで一元的に提供できる、データ利活用型のスマートホテルソリューションを提供している。宿泊施設の客室制御盤に、客室制御/情報管理システムを連携させることで、宿泊者の在室状況のリアルタイム把握による照明・空調制御や、清掃タイミングの可視化などを実現し、おもてなしと省エネルギーの両立や従業員の業務効率化といった課題解決に貢献してきた。

 新たに提供するサービスロボットとの連携機能は、複数メーカー製のロボットを制御し、エレベーターや自動ドアなどのビル設備と連携した自律走行を実現する「Smart Data Platform for City」を活用することで、階をまたいだ宿泊者の案内など、さまざまな業務をサービスロボットが担えるようになる。

 ルームサービス業務では、インルームダイニングや備品などのデリバリーをサービスロボットが担う。サービスロボットは客室制御/情報管理システムを通じて客室内設備と連携しており、チャイムの鳴動やディスプレイへのメッセージを通じて宿泊客に到着を通知できる。

 ポーター業務では、宿泊客の到着・出発時の荷物の運搬業務をロボットが担う。宿泊客に随行する、あらかじめ指定した時間に到着するなどの柔軟な対応ができます。

 音声認識は、宿泊客との接点(UI)に、以前からあるタブレットやIPTVなどに加え、スマートスピーカーなどを活用した音声認識機能を追加することで、幅広い業務を自動化できる。

 オーダーエントリー業務では、ルームサービスなどの宿泊客からのリクエストを音声認識で受け付ける。リクエストは客室制御/情報管理システムを通じてオーダー管理システムに登録され、その他の方法で受け付けたリクエストとともに一元的に管理できる。また、多言語対応可能なスマートスピーカーなどと連携することで、インバウンドの宿泊者もタブレットなどの操作を介さず、各種リクエストの依頼が可能となる。

 客室設備の制御では、スイッチやリモコンなどで操作していた照明、空調、カーテンなどの客室設備を、音声で操作できる。これにより、インバウンドの宿泊者や、目の不自由な方や車いすの方などにとって、バリアフリーで利便性の高い室内環境を提供できる。

 NTT Comでは今後、NTT独自の生成AI大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」を活用した宿泊客からの予約・問い合わせなど、カスタマーフロント業務の高度化による新たな顧客体験の提供や、「Smart Data Platform for City」との連携強化による宿泊施設運営のさらなる省人化・効率化、省エネルギー化への貢献を目指すとしている。