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日立とイーヒルズ、施設の換気度合いなど衛生管理状況を可視化化する「T*Plats」を提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)とイーヒルズ株式会社は3日、施設の衛生管理状況を見える化するサービス「T*Plats」を共同開発し、日立の新サービスとして提供を開始した。

 T*Platsは、イーヒルズが提供する「環境測定用IoTセンサー」を、店舗や施設に設置するだけで、大気中の二酸化炭素濃度や温湿度などを測定し、データに基づいた衛生管理を可能にするサービス。環境測定用IoTセンサーは、三密などの感染対策状況を測定するために開発された、LoRa方式ネットワーク対応のIoTセンサーで、換気度合いを示す二酸化炭素濃度に加え、騒音度合いや温湿度、独自のアルゴリズムによる混雑度を測定できる。

 特に、換気度合いなど目視だけでは適切に行われているか判断できない要素は、データ分析により、リアルタイムでの把握が可能なため、効率的に換気対策を行うことが可能になる。2021年に実施した実証実験では、冬場の暖房を最大50%削減できることが確認されている。本体は小型設計により設置も容易で、内蔵バッテリー搭載により長時間の稼働を実現する。

 IoTセンサーから得た測定データはリアルタイムで分析し、店舗や施設などサービスの加入者に対して衛生管理状況の結果を提供する。あらかじめ設定した基準値に反応し、SNSやメールで衛生管理状況を施設管理者に通知する。蓄積したデータを分析し、月次レポートも発行するため、加入者はレポートをもとに衛生管理の改善に役立てられる。

「T*Plats」上で見える化するデータ例(公式ホームページ上で公開される画面イメージ)

 また、店舗や施設の衛生管理状況は、T*Plats公式ホームページにてリアルタイムに公開することが可能。そのため、店舗や施設側は、利用者からのニーズが高まっている衛生管理情報を提供でき、信頼性の高い施設として訴求することも可能なため、集客効果も期待できるとしている。

 日立とイーヒルズでは今後、飲食チェーンや不動産デベロッパー、自治体、教育機関など、さまざまな業種に展開し、商業施設やオフィス、公共施設など、幅広い施設でのT*Platsの導入・普及を目指す。また、デジタルサイネージと連携し、店頭でも衛生管理状況をリアルタイムで見ることができる機能の提供や、他のデータと組み合わせた新たな活用方法の提案を行うことで、さらなる導入促進に向けて取り組みを進めていくとしている。