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富士通が行動分析技術「Actlyzer」を拡張、リアル店舗でのコンテキストマーケティングを支援

 富士通株式会社は7日、富士通研究所が開発している行動分析技術「Actlyzer」の機能を拡張し、店舗内のカメラ映像から顧客の行動を特定し、人・モノ・環境の関係性をグラフ表現した行動シーングラフとして認識する映像認識AI技術を開発したと発表した。

 現在、オンラインショッピングでは、アクセス履歴をもとに顧客の属性や心理などのコンテキストを分析し、最適な商品や広告を提示するマーケティングが行われているのに対して、リアル店舗では、購買に至る経緯や、家族など複数人のグループ内において、「誰の」「どのようなニーズで」購入したかといったコンテキストが取得できない問題があったという。

 そこで富士通では今回、リアル店舗において、店内映像から顧客の行動を特定し、「商品棚の前で複数人が商品について会話している」など周囲の人との関係性や、商品を手に取って戻したなどの商品に対する関係性を認識する、「関係性センシング技術」を開発した。また、店舗レイアウトやカメラ位置が異なる環境を認識し、導入や運用の工数を削減する環境センシング技術も開発している。

 これらの技術により、リアル店舗での顧客のコンテキストを大量に自動収集できるため、継続的かつ大規模なコンテキストマーケティングが可能となり、最適な接客や売り場改善など、顧客体験の向上につなげられるとのこと。

 富士通では今後も、同技術の現場実証を進め、AI映像解析ソリューション「GREENAGES Citywide Surveillance行動検知」の一機能として、2022年度中の実用化を目指すとしている。