ニュース
デロイトトーマツ、独自ツールを活用した公営企業向けの経営力向上支援サービスを提供へ
2021年10月25日 09:00
有限責任監査法人トーマツとデロイト トーマツリスクサービス株式会社(以下、デロイト トーマツ)は、地方公共団体が経営する、上下水道事業や病院事業、交通事業などを手掛ける公営企業向けに、独自のツールを活用した経営力向上支援サービスを、2022年4月より順次提供開始すると発表した。
デロイト トーマツでは以前から、公営企業が抱える課題を解決するため、地方公営企業法の適用、経営戦略・ビジョン策定、料金・使用料水準および体系の適正化や官民連携支援といったサービスを提供してきた。
今回は、これらの知見やナレッジを組み合わせ、デジタルツールを用いて、公営企業の経営企画や経理財務部門の効率化、高度化を実現するサービスを提供する。公営企業が同サービスを利用すると、従来は表計算ソフトウェアなどによって手作業で行っていたり、外部の専門家を活用して実施したりしていた事業環境の将来予測、経営目標の達成につながる収支計画作成などを、ツールにあらかじめ構築された算出ロジックを利用して、効率的かつ迅速に実施できるようになるという。
また、ツールの活用により業務効率を向上させ、創出した時間を新たな経営改善活動に充当できるようになるとした。
なお、この公営企業経営力向上支援ツールには、収支計画の主要な前提条件である将来需要予測やアセットマネジメント試算のための専門的プロセスを効率化し、手作業に依存しない収支計画作成をサポートする「計画策定機能」や、決算統計データの経年・類似団体のデータをグラフィックデータで比較できることに加え、自団体の強み・弱みを一目で把握できる分析レポート作成機能を通じ、経営改善に向けた取り組みの策定を支援する「財務分析機能」が備わっている。
あわせて、基礎的な事項から高度な内容まで幅広いFAQを収録し、経理実務の疑問をその場で解決できる「QA機能」を搭載。さらに、所定のフォーマットに沿って一定の項目を入力、選択するだけで、公営企業会計の実務経験がないユーザーでも容易に複式仕訳を作成できる「企業会計支援機能」に関しても、今後の搭載が計画されている。
このほかデロイト トーマツでは、公営企業が企業経営のデジタル化を推進し、DXや業務の自動化、効率化を推進するにあたり、課題の解決に結びつく技術やアセットを持つ民間事業者や研究機関などをつなぎ、イノベーション創出をサポートするほか、公営企業の財務事務や公営企業経営に関し、公認会計士等の専門家による研修プログラムをe-learning形式で提供することで、人事異動が頻繁な公営企業職員の経営スキル強化を支援するとしている。