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ISID、地域金融機関の賃貸不動産融資を支援するSaaSを提供

 株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は17日、地域金融機関の賃貸不動産融資に特化した業務支援クラウドサービス「BANK・R(バンクアール) 賃貸不動産融資支援サービス」を、同日より提供開始したと発表した。

 金融機関における賃貸不動産融資では、賃貸事業の収益性評価と担保となる物件の査定に重点を置き、融資可否と融資条件を決定するが、審査過程において、適正な賃料・売却額の把握と、それを踏まえた事業の将来収支シミュレーションを高い精度で行うことは難しいという。また、融資実行後に審査時との状況変化を確認する目的で行う中間管理においては、変動する物件の現在価値を適切に把握できていない点が課題とのこと。

 新サービスは、ISIDが融資業務統合ソリューション「BANK・R」の提供を通じて培った融資業務に関する知見と、株式会社プライスハブルジャパンのAI不動産査定サービスを融合したSaaSで、地域金融機関の抱える、こうした課題の解決を支援するとした。

 物件査定機能では、都市圏のみならず、地方を含めた幅広いエリアにある物件の周辺環境や人口動態、類似物件、賃料相場に関するデータをビジュアルに提供可能で、AI評価エンジンが暮らしやすさのスコア化、物件の賃料や売却価額を推定してくれる。

賃料査定、暮らしやすさのスコアリングの画面イメージ

 また、賃貸事業の将来収支と、それにもとづいた融資条件(融資期間、融資額、返済比率など)のシミュレーションを行える審査支援機能を提供。さらに、融資中物件の契約条件や建設業者・賃貸管理業者などの業者情報、実質賃料といった定量情報、中間管理における融資先との調査面談結果を時系列に一元管理する物件管理機能を備えている。

 このほか、融資先の実態把握や融資条件の見直しが必要なリスクを早期発見するためのポートフォリオ分析機能や、マクロ環境を確認するための人口動態推計、地価情報といったオープンデータの地図表示機能も提供するとのこと。