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2020年度のパブリッククラウド向け診断/CSPMサービス市場は前年度比2倍強に拡大する見込み、ITR調査

 株式会社アイ・ティ・アール(以下、ITR)は24日、国内のパブリッククラウド向け診断/CSPM(Cloud Security Posture Management、クラウド態勢管理)サービス市場規模の推移および予測を発表した。

 ITRでは、近年、パブリッククラウドサービス利用の増加に伴い、権限設定のミスや管理設定の不備、クラウドアプリケーションの構成ミスなどが原因で、情報漏えいやクラウドサービスの不正利用が増えていると指摘。これらを防止するために、アプリケーションの構成ミスを自動的に識別して修正することでリスクを軽減したり、ID管理やアクセス管理、ネットワーク制御などクラウド環境のセキュリティ設定を診断して、設定ミスを検出および改善し、セキュリティ対策を強化する、パブリッククラウド向け診断/CSPMサービスが立ち上がっているとしている。

 パブリッククラウド向け診断/CSPMサービスの市場規模については、2019年度の売上金額は6億3000万円で、前年度比61.5%増と急成長したと推計。さらに、コロナ禍の影響からテレワークの普及などにより、クラウド環境に移行する企業が増加しており、セキュアなクラウド利用のために同サービスのニーズがさらに高まっており、この動きに呼応して参入ベンダーも増加していることから、2020年度の市場規模は前年度から2倍強の13億円に達すると予測している。

 ITRコンサルティングフェローの藤俊満氏は、「コロナ禍において社内システムのクラウド移行が加速していますが、ユーザー企業にはクラウド運用管理のノウハウが乏しく、手探りでクラウドを導入して運用しているケースが散見されます。パブリッククラウドが存在するインターネット空間はゼロトラストネットワークの呼称の通り無法地帯であり、さまざまな脅威が存在します。このため、安全に移行し運用するには、パブリッククラウドの状態を診断し、適切なセキュリティ対策を実施することが必要であり、CSPMをはじめとした診断サービスのニーズはますます拡大するでしょう」とコメントしている。

パブリッククラウド向け診断/CSPMサービス市場規模推移および予測(2018~2024年度予測、出典:ITR)