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NTT東日本とイー・コミュニケーションズ、オンライン試験の不正行為検知に対応した「クラウドAIを用いた挙動検知機能」を共同開発

 東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は5日、株式会社イー・コミュニケーションズと、資格・検定試験のオンライン化において、替え玉受験やカンニングなどを防止する「クラウドAIを用いた挙動検知機能」を共同開発したと発表した。

 NTT東日本では、オンライン試験のニーズは一過性のものではなく、ニューノーマル時代の新たな試験のあり方となることが想定される一方で、オンライン試験では受験者を監視することができず、替え玉受験やカンニングなどの不正行為を把握できないといった課題があると説明。こうした課題に対し、イー・コミュニケーションズと連携し、集合形式の試験と変わらぬオンライン試験の運用ができるよう、AIが人の目線や動きから自動解析し、不正の疑いのある動きを検知する本機能を共同開発した。

 資格試験を手掛けてきたイー・コミュニケーションズの実績を活用し、試験不正時における人間の動きの特徴を学習させることで、不正の疑いのある動きを検知し、該当箇所のみを確認者に通知することで、確認者の作業時間を短縮することができるAIモデルを構築した。

 AIモデルでは、試験開始後に受験者を交代する替え玉受験や、複数人での受験、カンニングペーパーの利用、電話などを使った他人からのアドバイスといった、不正の疑いのある動きの検知が可能となる。

 NTT東日本では現在、社内資格試験を自宅からでも受験できる新たな試験スタイルを検討しており、サービスと自社のeラーニングプラットフォームである「ひかりクラウドスマートスタディ」を活用した試験システムを構築していくと説明。NTT東日本では年間約1.3万人の社内資格試験の受験者がおり、21拠点の受験会場で受験を実施しているため、試験をオンライン化することで社員の移動時間の削減による業務効率化や交通費削減効果が期待できるとしている。

 イー・コミュニケーションズでは、AIで受験中の録画動画を自動監視・解析し厳正厳格な試験を実現する「Remote Testing AIアナリスト」に関して、10月5日からサービス利用の事前予約受付を開始する。同サービスでは、NTT東日本が販売を請け負うAmazon Web Services (AWS)の環境を活用し、導入から運用までをトータルサポートする「クラウド導入・運用サービス」にて構築を実施している。

 NTT東日本では、今後も各種業界の課題解決に向けて、AIを活用したソリューションの提供を図り、より業界ニーズに即したソリューションにするために、各業界におけるパートナー企業と連携してAIの共同開発を推進するとしている。